参考写真 4月22日、県議会農林水産委員会が、「震災に伴う復旧対策、原発事故に伴う出荷自粛・風評被害対策」についての所管事務審査を実施しました。県土地改良事業団体連合会や県農業協同組合中央会などの関係団体の代表を招き、茨城の農林水産業の被災の実態を聴取しました。
 席上、宮浦浩司農林水産部長は、東日本大震災における県内農林水産施設の被害額は1131億9000万円であることを明かしました(4月21日現在)。その内訳は、農業が429万3000万円、漁業が655億3000万円、林業が47億3000万円となっています。
 「基盤・公共施設等」が863億200万円、「民間施設等」が252億5000万円となっています。
 「基盤・公共施設等」のうち、16漁港と6海岸に被害を受けた漁業が427億3000万円、市場や冷蔵庫といった共同利用施設への被害が156億円にのぼるります。農業関係では、用配水施設(3835カ所)が被害を受けた土地改良施設が261億5000万円、農業集落排水施設(415カ所)が91億7000万円となりました。
 一方、このなかには東京電力福島第一原子力発電所の事故の影響で放射性物質が国の暫定基準値を上回ったことによる出荷制限や風評被害で出荷出来なくなった被害は含まれていません。
 現在、茨城県と栃木県のJSグループは、東電に対して損害賠償請求の準備を進めており、今月28日に申し立てる予定です。3月の被害分だけでも、2県で数十億円規模に上るとみられています。
 農業被害の賠償を求めるのは初めてとなる見通しで、出荷停止措置が取られた福島、群馬、千葉3県でも準備が整い次第、これに追随します。
 JAグループは原発事故の損害賠償について、出荷制限などを受けた県レベルで「損害賠償対策県協議会」を設置。県内の各農協が組合員の農家から損害額と委任状を取りまとめ、JA全農の県本部や県の中央会で一本化して東電に請求する方針です。
 組合員以外の農家は県が被害額をまとめ、協議会に報告し、合わせて請求する方針です。