民主党政府、実質的に高速道路無料化政策を放棄
 茨城県内で工事が進められている圏央道の整備手法が、“合併施行方式”から“有料道路方式”に戻されることが決定しました。
 高速道路無料化という、民主党の荒唐無稽の政策を自らが否定し、もとの有料道路方式での整備が進められることになりました。
 5月27日、国の社会資本整備審議会事業評価部会は、圏央道のつくば中央IC〜埼玉県境と稲敷IC〜千葉県境間について、有料道路事業を導入し、開通後は有料の高速道路とすることを承認しました。社会資本整備審議会は、週明けにもに大畠章宏国交相に有料道路方式を答申する見込みです。その後、日本高速道路保有・債務返済機構と東日本高速道路は協定を締結し、業務実施計画の認可と事業許可に向けた手続きに入ることになります。
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民主党政権、荒唐無稽な高速道路無料化を自己否定
 圏央道の整備手法は、もともと有料道路事業で進められてきました。しかし、民主党への政権交代により合併施行方式に変更されました。合併施行方式では、国の直轄事業で道路の盛り土や橋梁などの主要部が建設されます。これから開通までに約1,320億円にも及ぶ事業費が必要になることから、国の直轄公共事業で工事を進めると開通時期の大幅な遅れが懸念されます。平成23年度の予算ベースで試算すると、この区間の事業費予算は67億円から104億円の事業費しか予算化されておらず、このままでは、完成までに13年から20年もかかる計算になります。
 さらに、この区間には用地買収難航箇所があり、早期の収用手続き着手が不可欠です。そのためには、事業者と事業期間が定められことが必要です。また、もともと圏央道は有料道路事業で都市計画決定されているために、国直轄事業しか入っていない状況では、収用手続きに入れない状況となっていました。
 27日の事業評価部会では、既に開通した区間が有料方式で整備され、橋本昌知事も同方式による早期整備を求めていることなどを理由に、県内未開通区間の有料道路方式の導入案が示されたました。東日本高速道路が整備に加わり、事業費3640億円(暫定2車線整備)のうち844億円を負担することなどが承認されました。
 有料道路方式への変更で、埼玉県側の整備に弾みがつきます。茨城県内の沿線地域においては、日野自動車や雪印乳業など全線開通を見据えた企業の立地が進んでおり、一日も早い県内区間の開通が期待されます。