7月12日、総務省消防庁は「平成23年6月の熱中症による救急搬送状況」の確定値をまとめました。
 それによると、全国の熱中症による救急搬送人員は6,980人で、昨年6月の熱中症による救急搬送人員2,276人の3.07倍となりました。
 熱中症による救急搬送人員の年齢区分をみると、高齢者(65歳以上)が3,566人(51.1%)と最も多く、次いで成人(18歳以上65歳未満)2,711人(38.8%)、少年(7歳以上18歳未満)627人(9.0%)、乳幼児(生後28日以上7歳未満)76人(1.1%)の順となりました。
 一方、井手よしひろ県議が茨城県消防防災課に問い合わせしたところ、茨城県内の熱中症による救急搬送者数は今年6月が132人で、昨年の42人の3.14倍となっています。
 また、7月1日から11日までの速報値は213人と昨年同日の33人の6.45倍となっています。
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 茨城県内では、梅雨が例年に比べて1週間早く明け、連日30度以上の猛暑が続いています。また、電力需要の逼迫から節電が叫ばれ、クーラーの使用を控える傾向もあり、熱中症患者の増加に拍車を掛けています。
 熱中症を予防するには、暑さを避け、こまめに水分補給し、急に暑くなる日には注意することなどが必要です。また、高齢者は温度に対する皮膚の感受性が低下し、暑さを自覚できにくくなるので、室内においても熱中症になることがあるので注意が必要です。
 こうした緊急事態に、気象庁では7月13日から新たに「高温注意情報」の発表を開始することになりました。最高気温が35度を超えることが予想される場合などに、熱中症への注意を呼び掛けるものです。
 政府や自治体は、熱中症による犠牲者を増やさないために、より積極的な広報宣伝、意識啓発などに取り組むべきです。
 とりわけ発症の危険が高い一人暮らしの高齢者に対しては、地域ぐるみで見守りや声掛けをするなどの丁寧な対応が必要です。
 昨年は記録的な猛暑で、熱中症による死者が過去最悪の1,718人に上りました。6月の傾向がそのまま続くとすると、5000人以上の犠牲者が出る懸念があります。
 これは、もはや「災害」と言っても過言ではありません。
 日本では最高気温が30度以上の真夏日や、夜間の最低気温が25度以上の熱帯夜が増加傾向にあり、熱中症の危険はますます高まりつつあります。
 東日本大震災の仮設住宅や避難所でも、熱中症に十分注意する必要があります。
 公明党は昨年、熱中症による深刻な被害を受け、「猛暑対策ビジョン」を発表しました。今年は震災や節電の影響も踏まえた新たな提言を打ち出す方針です。
 政府や地方自治体は、熱中症対策に本腰を入れなければなりません。