110723nisyou 7月19日、茨城県高校教職員組合(茨高組)は、県立高校や特別支援学校(養護学校)などの放射線量を独自に調査した結果を公表しました。
 それによると、放射性セシウムなど水に溶けやすい放射性物質が溜まりやすい、雨どいの下などでは1時間当たり6マイクロシーベルト一以上の高い値を示しました。ただし、この測定は地表面で行っており、地上1メートルの測定結果は、県が測定したものと余り大きな差はありませんでした。
 茨高組は、独自に線量計を購入し7月から県南や県北の学校で線量検査を行っています。現在、12校の調査を終えた段階ですが、中間報告の形で公表しました。
 線量が高い場所は、江戸崎総合高校で6.5マイクロシーベルト/時(単位は以下同じ)、石岡二高で6.2、高萩高校で5.5などとなっています。滑り台の下や建物の陰など、落ち葉や泥がたまりやすい場所も高い数値が出ました。
 今後、茨高組では全県立学校で調査を行い、結果を順次、ホームページで公表するとしています。
 茨城県教育委員会は、すでに全ての県立学校を対象に放射線量の調査を行っています。校庭の中央で、高さ50センチメートル地点で測定した結果、文科省の基準値3.8マイクロシーベルト/時を大きく下回っています。
 22日行われた県議会文教治安委員会で、井手よしひろ県議は、茨高組の線量測定について、県教育庁の見解を質しました。
 井手県議は、「水の溶けやすい特徴をもつ放射性セシウムが雨樋や落ち葉や泥が溜まりやすい場所に、集まることは容易に想定される。こうしたミニホットスポットを明確にして、土砂や泥を取り除くなどの対応を施すことは大事。ぜひ、県教委は各学校に1台の線量計を配布して、きめ細かな測定を行う必要がある。茨高組は、全校で線量測定を行うとしており、県の対応が遅いといわざるを得ない。線量がすぐに児童・生徒の健康に影響する値でないことは十分理解した上で、子どもたちや保護者の安心感を高めるためにも、詳細な線量検査を行うべきだ」(主旨)と主張しました。これに対して、保健体育課長は「線量が高いところは、土壌自体の線量(ベクレル)も図る必要があり、(詳しい線量検査を)検討していく」と答えました。また、小野寺教育長は「国は学校での線量基準の見直しを8月つまでに行うといっているが、これでは夏休みの間に合わない。この休みの間にすっかりとした対応をしたい」と答弁しました。
参考:茨城県高校教職員組合(茨高組)の線量測定結果