参考写真 7月2日の日本ALS協会茨城支部総会で話題となった、「難病医療拠点・協力病院(非常用電源装置)保健衛生施設等設備整備費補助金」について、2次募集の連絡が厚労省から発せられました(7月26日)。
 東日本大震災を受け、大規模災害時の重症難病患者の支援策が大きな課題となっています。特に、在宅で人工呼吸器を装着しているALS患者は、災害などで停電や電力不足に陥った場合、即生命の危機に瀕することになります。また、タンの吸引器、電動ベット、電動車いす、意思伝達装置など、ALS患者は電気のない生活が考えられない状況となっています。
 先日の総会では、震災時のALS患者や家族の実体験が報告され、非常用のバッテリーが定格の半分ぐらいの時間しか保たなかった事例や車のシガーソケットから人工呼吸器の電源を維持した事例などが報告されました。
 厚労省の2009年度の統計によると、在宅で人工呼吸器を使って生活する人は約1万2800人。人口呼吸器は、医療機関が、製造販売会社にレンタル料を払って借り、患者に貸し出すのが一般的です。医療機関は「人工呼吸器加算」を医療保険に請求しています。ALSのように気管を切開して人工呼吸器を使う患者は、一人当たり月額7万円が保険料に加算されますが、重症のALS患者は全額免除されています。しかし、その人工呼吸器のレンタル契約に、外部バッテリーまで含めている場合と含めていない場合があり、含まれていない患者は、高額の自己負担を強いられます。バッテリーは1台20万円以上することもあります。
 国はこうした、震災時の教訓をもとに、茨城県をはじめとする被災地において、難病医療拠点病院・協力病院を対象に、これらの病院が在宅患者に無償貸与するための非常用の発電機と突然の停電に対応できるバッテリー(計約25万円)を購入する費用を助成することを決めました。以下のような難病医療拠点病院・協力病院には、全額国に負担で、発電機とバッテリーが配備されます。
 しかし、第1回目の募集期間がわずか1週間しかなく、その趣旨が難病医療拠点・協力病院に徹底されなかったために、制度の利用を申し出た病院が非常に少ない状況でした。
 井手よしひろ県議はこうした実情を把握し、公明党政審会長の石井啓一衆議院議員(党茨城県本部代表)を通して、厚労省に再度、募集を行うよう強く申し入れを行いました。今回、7月26日から8月12日まで、2次申し込みを受け付けることになりました。
 茨城県内のALS患者や人工呼吸器を使用しているその他の難病患者も、ぜひ、治療を受けている病院を通して、非常用電源の貸与を相談してみて下さい。基本的に、無料で貸与を受けられるはずです。
非常用電源装置の定額助成の範囲
非常用発電機207,000円/台
非常用バッテリー40,000円/台
非常用電源装置の定額助成の該当地域
◎東北電力管内:青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、新潟県、仙台市、青森市、盛岡市、秋田市、郡山市、いわき市、新潟市
◎東京電力管内:茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、山梨県、静岡県の一部、さいたま市、千葉市、横浜市、川崎市、相模原市、高崎市、宇都宮市、前橋市、川越市、船橋市、柏市、横須賀市