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 茨城県は19日、鉾田市内でつくられた玄米から、1キロ当たり52ベクレルの放射性セシウムが検出されたと発表しました。放射性セシウム134が23ベクレル、放射性セシウム137が29ベクレル検出されました。今回の検出システムの定量下限値は20ベクレルであることから、検出できる限度をわずかに上回ったことになります。
 国と県のコメの検査指針では、予備調査で1キロ当たり200ベクレルを超えた地域は、収穫後にさらに重点調査を行うことになります。
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 県農林水産部では、「国の暫定基準値を下回り、安全性に問題はない。今後、収穫後の玄米についても調査を実施し、さらなる安全性を確認したい」としています。
 茨城県では平成23年産米の安全性を確認するため、国の指針に沿って県内44市町村全てで調査を行っています。空間放射線量が1時間当たり0.1マイクロシーベルトを超える13市町村では、予備調査として収穫前の米を検査しています。この予備調査で1キロ当たり200ベクレルを超えた地域は、さらに収穫後に検査サンプルを増やして重点調査を行います。重点調査で1キロ当たり500ベクレルの暫定基準値を上回った地域のコメは、出荷が禁止され廃棄処分になります。(コメの放射性物質検査の詳細については“コメの放射線量検査、茨城県は400カ所で線量測定”をご参照ください)
 福島第1原発で起きた水素爆発や、格納容器の弁を開けて排気するベント作業などにより、大気中に放射性セシウムや放射性ヨウ素などが大量に放出されました。風で拡散、雨などに混じって田んぼの土や農業用水などに降り積もっています。
 こうした土や水で稲を栽培すると、成長段階で放射性物質が根から吸い上げられ、コメに蓄積されることになります。
 検査の対象となっているのは放射性セシウム。放射性セシウムの半減期は約30年と長く、食べられて体内に入っても長く悪影響が続きます。体内に取り込まれると筋肉に蓄積しやすく、がんの原因になるとされています。一方、放射性ヨウ素は半減期が約8日と短いため、検査対象から外されています。
 専門家によると、セシウムは玄米の胚芽などぬかの部分に多く蓄積される傾向があり、精米すると約6割が除去されるそうです。