
それによると、茨城県の小中学校の耐震化率は64.1%で、全国平均の80.3%を16.2%下回り、全国42位でワースト3位に低迷しています(岩手・宮城・福島3県は調査対象外)。また、耐震診断の実施率も97.7%と全国平均の98.8%を下回りました。
ただ、、耐震化の伸び率は昨年度より8.4%増となり、全国16位で各市町村での耐震化の取り組みが加速化していることがうかがわれます。
県内市町村別の状況を見ると、竜ケ崎市、五霞町が耐震化率100%を達成し、守谷市(95.2%)、利根町(88.2%)、東海村(87.1%)などが上位となっています。
一方、高萩市(40.7%)、行方市(41.0%)、ひたちなか市(42.0%)、日立市(43.2%)、神栖市(43.3%)などがワースト5となりました。
比較的早い時期に永久校舎(鉄筋コンクリート校舎)を整備した市町村の耐震化が遅れている傾向があり、市町村合併による学校統合が計画されていることも耐震化実施を遅らせる要因となっています。
さらに今回の調査では、はじめて、天井材・照明器具・窓ガラス・外装材・内装材・設備機器・家具の7項目について耐震の点検と対策を完全実施しているかどうかを調査しました。天井材や照明器具などの耐震対策を終えた公立小中校は、5月1日時点で29.7%にとどまっていることも分かりました。
文科省は2015年度までの5年以内に公立小中校の耐震化を完了させる方針です。今年度当初予算と1次補正予算の耐震化事業が終われば、耐震化率は約86%にまで引き上げられる見通しですが、市町村の負担分もあり、震災被害を受けた茨城県では、上乗せした耐震化予算を組む必要があると考えられます。
