参考写真 9月15日、茨城県議会で会派代表質問が行われ、橋本昌知事は、東日本大震災で今年度の県税収入額が、およそ100億円減る見込みであることを明らかにしました。また、震災発生後の3月以来、茨城県の人口がおよそ1万人減るなど深刻な影響が出ている実態を明らかにしました。
  県税の減収見込みは、法人2税が45億円、地方消費税が30億円、ゴルフ場利用税や不動産取得税などが25億円となっています。平成23年度当初予算で3066億円の県税収入を計上していましたが、約100億円減の2966億円程度に落ち込む見通しとなりました。法人2税の不足分は「減収補てん債」を発行して穴埋めできますが、その他の税収不足については、国の財政支援がありません。答弁の中で、橋本知事は「減収補てん債の対象拡大を国に要請している」と説明しました。
 県税減収の主な理由は、震災による生産・物流施設の損壊による生産減や震災関連の特別損失(いわゆる赤字決算)の計上、個人消費の低迷や港湾施設損壊に伴う輸入貨物の減、原発事故の風評被害による観光客、ゴルフ場利用者の大幅減などがあげられます。
 一方、人口減少の問題では、3月から7月末までの5カ月間で1万179人減り、8月1日現在で295万5870人になったことが分かりました。橋本知事は「震災で県の人口は1万179人も減少しており、このような状況が長く続けば県の基盤そのものが崩壊しかねない」と危機感をあらわにしました。その上で「風評被害払拭のため観光産業の支援や農林水産物の安全性PRに取り組み、イメージアップにつなげたい。企業誘致や産業振興を図り、雇用の場を確保することも重要」と答弁しました。
 9月13日付けの朝日新聞では、つくばエクスプレスの開通以来順調に人口が増え続けた守谷市が2ヶ月連続して人口減になったことが報道されました。同紙では、「つくばエクスプレスが開業した6年前から順調に人口が伸び続けている守谷市に今夏、『人口減』の異変が起きた。利根川を挟んで隣接する沿線の千葉県柏市も3年ぶり に減少。両市そろって転出が転入を上回った。“放射線量が比較的高いことが原因の一つ”との見方も出始めているが、明確な理由は分からない」と、掲載されています。
(写真は、県議会代表質問に答弁する橋本昌知事)