参考写真 東日本大震災を受け、全国各地で防災対策を見直す動きが活発化しています。
 東日本大震災をはじめとして、今までの防災対策の中では、避難所で女性が着替える場所がないなど「女性の視点」が決定的に欠落していたとの指摘があります。
 地域の防災対策の見直しでは、女性の視点を積極的に取り入れる必要があります。
 生活に密着した女性ならではの視点で見れば、女性だけではなく子どもやお年寄りにとって何が必要かなど、きめ細かい対応にも気付くことができます。それは避難所の環境改善などをはじめ、あらゆる場面の防災対策の充実につながることは間違いありません。
 その一例として、大分県生活環境部県民生活・男女共同参画課が、2007年2月にまとめた「女性の視点からの防災対策のススメ」の中から「避難所生活での工夫」を紹介します。
  • 一人暮らしの女性や高齢者・障がい者、乳幼児のいる家族等の被災者の状況に応じ、間仕切りをするなどの配慮を行い、快適な居住スペースの確保に努めましょう。

  • 仮設トイレの設置にあたっては、特に女性や子どもの安全・安心に配慮した場所や通路を確保しましょう。

  • 男女別の更衣(又は化粧)スペースを用意しましょう。※女性用化粧室には、鏡や女性用品を準備しておくと便利です。

  • 女性用洗濯物の干し場を確保しましょう。

  • 乳幼児のいる家族に配慮した授乳スペース・育児スペースを確保しましょう。

  • 女性や子どもへの暴力を防止し、心身の健康を守るために、女性や子どものための相談窓口を設置しましょう。

  • ※過去の大震災では、女性や子どもに対する暴力(ドメスティック・バイオレンス、性犯罪等)が増加したという調査報告があります。

  • イベントの開催や、誰もが利用できるフリースペースを確保し、心身のリフレッシュやストレス解消を図りましょう。
 公明党は先月、党女性委員会のもとに「女性防災会議」を設置しました。「女性の視点を生かした防災対策」の充実へ、全力で取り組んでいく決意です。茨城県本部でも、田村佳子女性局長(県議・つくば市選出)を中心に茨城県女性防災会議を設置しました。
 女性の視点から防災対策の提案を目指して、10月1日から1カ月程度をかけ、公明党の女性地方議員が各自治体の防災担当部局に聞き取り調査を行う「防災行政総点検」をスタートさせます。
 茨城県の防災対策の現状を調査し、各議会での論戦や意見書などを通じて全国の防災対策に反映させていく方針です。
 具体的には、各自治体の地方防災会議や防災担当部局に女性が登用されているかどうかや、災害用備蓄物資や避難所の整備・運営計画において女性や乳幼児、高齢者、障がい者などの多様なニーズ(要望)が踏まえられているかどうかなどを調査することにしています。
 国の防災基本計画には「男女双方の視点に配慮した防災を進めるため、防災に関する政策・方針決定過程及び防災の現場における女性の参画を拡大し、男女共同参画の視点を取り入れた防災体制を確立する必要がある」と明記されています。これを具体的な政策に反映させられるような提言を取りまとめていきたいと思います。
参考:大分県「女性の視点からの防災対策のススメ」(PDF版)