参考写真 福島第1原発事故を受けて、茨城県内44市町村のうち少なくても19市町村が「放射性物質汚染対処特別措置法」に基づく「汚染状況重点調査地域」の指定に向けて申請を行ったことが、井手よしひろ県議ら公明党茨城県本部の緊急調査で明らかになりました。(11月21日に鉾田市が申請することが確認できました)
 国は市町村の意向を確認し、地上1メートルの空間放射線量が、年間1ミリシーベルト(毎時0.23マイクロシーベルト)を超える市町村を「汚染状況重点調査地域」に指定、除染に伴う経費を国庫負担とするとしています。
 反面、「汚染状況重点調査地域」指定を受けることにより、農作物や観光面で風評被害につながることを懸念する声もあり、除染の費用は市町村自ら捻出するとの結論を出す自治体もあり、国の曖昧な姿勢に憤りの声が上がったいます。
 茨城県内では、8月に実施された文科省の航空機モニタリング調査で、24市町村が年間放射線量1ミリシーベルト以上の地域があると指摘されています。
 特に、放射線量が比較的高い、県南の取手市や守谷市では、7月から小中学校の校庭の除染活動を始めています。取手市では、10月中旬に重点調査地域の指定申請をいち早く表明し、いち早く除染計画を策定する方針です。すでに、放射線測定器を90台購入することをきめ、12月から地域自治会と連携して、市内全域の線量測定を開始します。それをもとに、市内全域の放射能汚染マップを作成するとしています。
 また土浦市では、局所的に放射線量の高い「ホットスポット」について、従来の非公開との方針を転換し、施設名や除染状況を含めて随時公表していくことを決めました。汚染状況重点調査地域の指定についても申請し、今後、市内全域のホットスポットの除染に当たっていくことにしています。ちなみに、15日公表された土浦市内のホットスポットの状況は、右籾小が9.21マイクロシーベルト(地上1cm、1時間当たり、以下単位は全て同じ)、次いで中村小7.16、都和幼稚園4.84、上大津西小4.66、宍塚小と土浦五中の4.12などとなっています。
 市内の広い範囲が除染対象とされた阿見町は、11月から始めた放射線量の訪問測定結果を、放射線量マップづくりに役立てることにしています。14日までに調べた地上1メートルの放射線量率の平均値は、毎時0.224マイクロシーベルトと、国の基準を幾分下回りましたが、まだ、全体的には高い状況が続いています。
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 県北地域では、北茨城市や高萩市、日立市、東海村、ひたちなか市などが「汚染状況重点調査地域」の申請を行いました。日立市では、10月中旬に基準を超える小中学校や幼稚園、保育所などの除染計画を策定し、4000万円の予算を確保しました。11月中旬から実際の作業に入りたいとしています。
 また、常総市は、航空機モニタリング調査では基準値を超えた地点が市内にありませんでしたが、重点調査地域を申請しました。市の独自調査で、一部地域に0.23マイクロシーベルトを超える地域があることから、今後県と協議しながら、除染計画を策定していく事にしています。
 一方、局所的に基準値を超える汚染がありながら重点地域の指定を申請しない市町村もあります。石岡市、かすみがうら市、鹿嶋市、大洗町などは、観光業や農業などへの影響を考慮し、ホットスポット対策などは自前の予算で行うとしています。
 井手よしひろ県議は、そもそも、特措法で地域指定を行うといったプロセスを踏ませることに問題があると考えます。放射能の除染に関しては、東電と国の責任で費用負担を行うべきであり、特に放射線量が高い福島県内の一部地域を除いては、市町村の責任で行う全ての除染活動の費用を無条件で負担すべきです。
汚染状況重点調査地域の申請を行ったことが確認された市町村
北茨城市、高萩市、日立市、常陸太田市、東海村、ひたちなか市、土浦市、阿見町、稲敷市、美浦村、つくば市、つくばみらい市、牛久市、龍ヶ崎市、利根町、取手市、守谷市、常総市、鉾田市
(11月21日現在、公明党茨城県本部調べ)