11月30日、公明党の山口那津男代表は、野田政権発足後初の党首討論で、野田佳彦首相と論戦し、東日本大震災の復興について「スピード感をもって推進すべきだ」と強調し、首相の決意をただしました。また、消費増税を含む社会保障と税の一体改革について、「増税より先に社会保障のあり方を議論すべきだ」と指摘し、年金制度を含む社会保障の具体像を示すことのできない民主党政権の拙さを追及しました。
不適切発言、沖縄の気持ち踏みにじる
 山口代表は冒頭、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移設問題をめぐり、沖縄防衛局長が不適切な発言で更迭されたことについて、この問題での民主党政権の迷走を踏まえ、「沖縄の人の気持ちをどれだけ踏みにじれば気が済むのか。とんでもない話だ」と非難し猛省を求めました。
 野田首相は「弁解の余地はない。沖縄の皆さまに心からお詫びしたい」と陳謝しました。
 震災復興に関して山口代表は、公明党がこれまで722項目にわたって具体的に提案し、今後も積極的に取り組んでいくと強調する一方で、本格的な復興のための今年度第3次補正予算の成立が被災地に雪が降る時期までずれ込んだことに対し、「財務相、首相の任にあった野田首相の責任はある」と指摘しました。
 その上で、野田首相が「福島の再生なくして日本の再生はない」と述べたことに触れ、「来年の正月は福島から復興の陣頭指揮を執るくらいのことをやるべきだ。スピード感をもって予算執行と復興の推進に当たってもらいたい」と、首相の決意を問いただしました。
 野田首相は「遅い、支援が行き届いていないという批判は真摯に受け止め、一日も早く復興事業が加速できるよう全力を尽くす」と応じました。
 社会保障と税の一体改革に関して山口代表は、首相が消費増税を国際公約し、今年度中に関連法案を国会に提出する考えを示していることに対し、「一体改革と言いながら、増税や負担増の話ばかりが先行して、肝心な社会保障のあり方をどうするかに議論が及んでいない」と批判。
 さらに、民主党が主張する年金制度の抜本改革の具体像が一向に示されないことから、「今その中身を明らかにして、社会保障、年金のあり方、消費税がどうなるのか全体像を国民に示すべきだ」と追及しました。
 これに対して野田首相は、具体案について答えず、「社会保障を支えるための税財源の確保は必要なので、話し合いの場に応じてもらいたい」とはぐらかしました。