参考写真 厚生労働省は公明党が強く求めてきた子宮頸がんなどのワクチン接種に関わる助成費用を、平成23年度第4次補正予算に計上する方針を固めました。これにより、今年度末までに限って予算化されていた子宮頸がんと、子どもの細菌性髄膜炎予防ヒブワクチン、小児用肺炎球菌ワクチンの3ワクチンの公費接種を、来年度も続けられることになります。第4次補正予算案に500億円余りを盛り込みます。助成の対象は、子宮頸がん予防ワクチンが中学生の女子、ヒブワクチンと小児用肺炎球菌ワクチンが0〜1歳児です。
 これらの予防接種に関しては、国の対応が遅れ、来年度以降の接種ができるのかできないのか、予防接種を実施する地方自治体からは、政府への不信の声が沸き起こっていました。
公明党ががん対策充実の要望書提出
 12月15日、こうした動きを受け、公明党がん対策推進本部(本部長=松あきら副代表)は、厚生労働省で小宮山洋子厚労相と会い、「がん対策を充実させるための要望書」を手渡しました。
 松本部長らは「がん対策推進基本計画」の見直しが進められていることを評価した上で、がん予防の強化や小児がん対策などを推進する必要性を指摘しました。
 具体的には、がん検診無料クーポン事業の恒久化・検診種目の拡大を要請。特定年齢への子宮頸がん予防ワクチンの接種と、一定年齢へのがん検診費用を全額助成することを柱にした「子宮頸がん予防法」制定も求めました。
 このほか、(1)胃がん発生の防止に向け、ピロリ菌の早期発見・治療につながる検診体制の早急な整備(2)B型肝炎ウイルスワクチンの定期接種の早期導入(3)がんの専門家養成の充実(4)学校・職場・地域でのがん教育推進――などを要望しました。
 小宮山厚労相は「しっかり受け止め、取り組む」と応じるとともに、公明党が組織強化を求めてきた同省のがん対策推進室について、「生活習慣病対策室などと合わせて『がん・健康対策課』を設置する予定」と体制を強化する意向を示しました。
県立中央病院に「子宮頸がんワクチン外来」開設
 一方、茨城県内では、県立中央病院に「子宮頸がんのワクチン外来」が開設されることになりました。
 県立中央病院は、子宮頸がん予防の取り組みを強化するため、高校2年生以上の女性にワクチン接種を行う専門の外来を開設。「子宮頸がんワクチン外来」は、毎週の木曜日の午後3時から4時に開かれ、1日5人まで診察の予約を受け付けます。
 子宮頸がんのワクチンは性交渉を持つ前の10代から接種することで効果が高まるとされており、中学1年生から高校1年生までを対象に各市町村が去年からワクチンの接種費用を助成しています。
 今回の県立中央病院の外来は、こうした費用の助成を受けられない高校2年生以上の女性を対象に接種を行います。子宮頚がんのワクチンは3回接種する必要があり、料金はあわせて5万520円になります。