民主、「1票の格差」是正へ関連法案を正式決定
読売新聞(2012/1/18)
 民主党は18日の政治改革推進本部(本部長・樽床伸二幹事長代行)総会で、衆院の「1票の格差」是正のため5県で小選挙区をそれぞれ1減する「0増5減」と、比例代表の定数80削減などを盛り込んだ関連法案を正式決定した。
 ただ、公明党など野党は反発しており、民主党内では比例定数の削減幅を修正するなどして、公明党の軟化を促す案も浮上している。
 「国民は『決められない政治』に不満を持っている。(野党が反対するなら)堂々と議論してほしい」
 18日の民主党政治改革推進本部の総会。約100人の出席者からは「身を切る改革」(野田首相)への賛成論が相次いだ。「なぜ定数削減だけを取り上げるのか」などと明確に不満を述べたのは1人だけで、関連法案はすんなり了承された。

 衆議院の定数の見直しについて、公明党の山口那津男代表は、衆院選挙制度改革について、大要次のような見解を述べました。
  • 抜本改革について何も言及がないことは不思議で、あまりに独断が過ぎる。昨年末、衆院議長から「1票の格差」是正と抜本改革への合意形成に協力するよう承った。議長や岡田克也副総理の(抜本改革が必要とする趣旨の)発言と同じものとは到底思えない。抜本改革も含む考え方、協議のできる方向性を提示してもらいたい。

  • 定数削減は制度の抜本改革の中で実現する。現行制度と今の(小選挙区の)区割りは、民意のゆがみをただしていく意味で、抜本改革が必要であり、定数削減はその制度改革の中で出てくるべきことだ。格差是正だけで大幅な定数削減というのでは格差を生じることをまた繰り返すことになるわけで、これだけの方向性では小手先に過ぎない。

  • 同本部の決定が野田首相の意向と同じなら、まさに悪い方に“君子豹変”していることになってしまうのではないか。協議を呼び掛ける姿勢が本当にあるのか問いただしたい。
 いずれにせよ、衆議院の定数問題という重要な問題を、与野党の協議も無しに決めてしまうやり方は横暴そのものです。
 民主党案によると、福井、山梨、徳島、高知、佐賀の5県では、小選挙区の数が3から2に削減され、これに伴ってそれぞれ定員が1減り、区割りの見直しも行われます。
 また、比例代表の定数を80削減する法案では、各ブロックで定員を削減し、北海道ブロックは8から4に、東北ブロックは14から7に、北関東ブロックは20から11に、南関東ブロックは22から13に、東京ブロックは17から10に、定員が減ります。さらに、北陸信越ブロックは11から6に、東海ブロックは21から12に、近畿ブロックは29から16に、中国ブロックは11から6に、四国ブロックは6から3に、九州ブロックは21から12に、定員が削減されます。