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2060年の日本の人口は8,674万人に
 1月30日、国立社会保障・人口問題研究所は、平成22年国勢調査の確定数が公表されたことを受けて、新たな日本の将来推計人口は発表しました。日本の将来推計人口は、全国の将来の出生、死亡、ならびに国際人口移動について仮定を設け、これらに基づいて、日本の将来の人口規模ならびに男女・年齢構成の推移について推計したものです。9つの条件の内、中位の想定では、日本では人口減少が進み2060年の推計人口は8,674万人となります。高位推計では9,602万人、下位推計では7,856万人となります。
 今後、日本の人口は減少し、2010年国勢調査による1億2,806万人から、2030年に1億1,662万人となり、2048年には1億人を割って9,913万人となり、2060年には8,674万人になるものと推計されます。したがって、今後50年間で、人口は4,132万人(現在人口の32.3%)の減少が見込まれます。
この期間に、年少人口(0〜14歳人口)は当初の1,684万人から791万人へと893万人(53.0%)の減少、生産年齢人口(15〜64歳人口)は8,173万人から4,418万人へと3,755万人(45.9%)の減少が見込まれます。これに対し老年人口(65歳以上人口)は2,948万人から3,464 万人へと516万人(17.5%)増加します。
 人口高齢化が進行し、2060年の65歳以上人口割合は39.9%。年少人口割合は当初の13.1%から9.1%へと4.0ポイントの減少、生産年齢人口割合は63.8%から50.9%へと12.9ポイントの減少が見込まれます。これに対し、老年人口割合は23.9%から一貫して上昇し、39.9%へと16.9ポイント増加します。
合計特殊出生率は1.35、平均寿命は男性84.19歳、女性90.93歳
 推計の前提となる合計特殊出生率は、2010年1.39から途中2024年に最低値1.33を経て、長期的には1.35に収束するとしています。平均寿命は、2010年男性79.64年、女性86.39年から伸長し、2060年に男性84.19年、女性90.93年に到達します。
茨城県の人口も16%減少し257万人に
 茨城県の人口推計を見てみると、2010年に293万人であった総人口は、2015年287万人、2020年279万人、2025年269万人、2030年257万人と減少し続け、2035年には245人と16.4%も少なくなります。
 人口構成を見てみると2005年に年少人口14.2%、生産人口66.4%、高年人口19.4%だったものが、2035年には9.4%、55.3%、35.2%と変化します。生産人口が10%以上低下し、高齢者人口の割合が倍近くになります。
子供を生みやすく育てやすい環境を
 こうした将来人口の推計を見てみると、政策を総動員して子どもを生みやすく育てやすい環境を作ることが国や地方自治体の最大の課題であることは論を待ちません。
 平均寿命の伸長に伴い、意欲があり健康な高齢者には長く働いてもらうことも重要です。
 経済連携協定などのルールに基づき、優秀な外国人を積極的に受け入れることも、大いに検討に値します。
 今まで、右肩上がりの人口の伸びの中で設計された日本の経済や福祉の制度を一刻も早く、人口減少社会へ対応するメカニズムに転換する必要があります。
参考:社会保障・人口問題研究所