Q:公明主導の2004年年金改革の成果は?
A:積立金活用などの三本柱で制度を安定化
参考写真 2004年の年金改革は少子高齢化の重圧から年金制度という「家」を守る大リフォームだったといえます。具体的には、年金給付を支える(1)保険料(2)国庫負担(税金)(3)積立金―の3本柱を強化し、将来にわたって年金制度を安定化させた画期的な改革でした。
 公明党は老後の安心を守るため、厚生年金の給付水準に下限を設定。一方で、現役世代の負担が重くなり過ぎないよう、保険料に上限を決めました。
 さらに、将来世代の年金額の上積みへ積立金の活用を決断し、経済情勢の変動などに応じて給付水準を自動調整する仕組み(マクロ経済スライド)も導入しました。
 この改革により、年金制度は標準的な厚生年金世帯(夫が平均的な収入で40年間勤務、妻は専業主婦)の給付水準が、およそ100年後の将来も現役世代の平均手取り収入の50%以上が確保できる安定した制度に生まれ変わりました。
Q:本当に年金は100年安心か?
A:財政検証の結果、問題なしと折り紙付き
 2004年の改革では、リフォーム後の年金財政の安定性をチェックするため、5年ごとに定期点検する「財政検証」が導入されました。
 財政検証は、将来の給付と負担の見通しを事前に見極め、早い段階から対策を打てるようにするための仕組みです。
 2009年に行われた初めての検証では、現行制度が順調に推移していることが確認されました。
 標準的な厚生年金世帯の場合は、2105年度末に積立金を13.2兆円(2009年度価格)残した上で、保険料率は上限とした18.3%(本人負担は9.15%)のまま、現役世代の平均手取り収入の50.1%の給付が受け取れるようになっています。
 この検証結果に対しては、公的年金の専門家も「将来も年金制度は大丈夫」(堀勝洋・上智大学名誉教授)と太鼓判を押しています。制度を正しく理解することなく、いたずらに不安をあおることは慎むべきです。

Q:年金基金が無くなるのでは?
A:“枯渇論”は前提となる経済条件が極端
 年金は毎年きちんと支払われており、10年度も51.1兆円が給付されました。破綻などしていません。
 一部の経済学者が独自の試算として「あと20数年で積立金が枯渇して制度が破綻する」などと年金不信を助長する論評を行っていますが、幾つかの前提条件が不適切といえます。
 例えば経済の見通し。現行の年金制度は、年平均0.8%の経済成長を続ける厳しい前提で試算されていますが、“積立金枯渇論”の試算は実質経済成長率をマイナス0.2%として計算しています。
 こんなマイナス成長が何十年も続けば、年金制度どころか日本経済自体が危機に瀕してしまうでしょう。
 年金制度が安定して運営されるには、経済の着実な成長と少子化の改善が重要です。公明党は現在の年金制度を守り、さらに充実させるため、出生率や経済成長率などの指標に絶えず目配りし、追加的な改革に全力で取り組んでいきます。