参考写真 3月5日の県議会の代表質問で、井手よしひろ県議は、「県地域防災計画<地震災害編>」の見直しについて、橋本県知事に質問します。
 特に、女性・高齢者・障がい者等の視点からの地域防災計画の見直しの重要性を強調する予定です。
 茨城県では、この3月末までの改訂を目指して、地域防災計画の見直しが進められています。茨城県内44市町村に、公明党所属の女性議員が39名います。名実共に、県下最大の女性議員集団であり、こうした女性議員を中心に、市町村毎に、地域の防災体制の見直しについてアンケートや聴き取り調査を実施しました。
 その結果等を踏まえ、次のような具体的な提案を、知事に行う予定です。
  • 緊急物資の備蓄等のあり方を女性、高齢者、障がい者等の視点から見直し、市町村に対するガイドラインを呈示すること。また、地方自治体における緊急備蓄整備に対する国の予算措置を求めること。
  • 避難所の整備を行うこと。食料や飲料水、燃料の備蓄、暖房機器や自家発電装置の整備。トイレの数の確保、洋式トイレの整備、緊急用マンフォールトイレなどの整備。女性の着替えや授乳のためのスペースを確保すること。
  • 災害救助法に基づく福祉避難所を市町村毎に明確に定めること。福祉避難所では障がいを持つ避難者のためのベッド、車いす、補装具、障がい者用の入浴施設、トイレなどの準備を行うこと。
  • 帰宅困難者対策やJR、TXなどの利用者の避難対策を明確に策定すること。
  • 者の対象、要援護者情報の共有・管理、避難支援計画のあり方等速やかに見直すこと。障がい者や高齢者の「緊急救出用 要援護者名簿」を整備し、地域毎の支援活動・救援活動に活かすこと。
  • 防災訓練に、女性、高齢者、障がい者等の参加を積極的に促す仕組みを取り入れること。
  • ペットの防災・避難体制も防災計画の中に明確に位置づけ、ケージや餌、治療用薬剤を保健所毎に配備すること。原則、ペットとの同行避難、避難所や仮設住宅などでの同居を防災計画に明記すること。
などです。
 この中でも、茨城県の取り組みが特に遅れていると思われるのが、要援護者の情報共有の課題とペットとの避難体制の整備です。
 個人情報保護との兼ね合いで、地域の高齢者や障害者の具体的な情報が、ボランティアな地域防災組織との間で共有できていません。例えば、昨年の大震災のおりも、地元の自治会で一人ぐらしのお年寄りの安否確認を行おうとしたところ、市の福祉部門からは、その名簿の提供を受けることはできませんでした。「民生員さんと一緒にやってください」との回答でしたが、その民生員も被災者であり、緊急時の対応に限界を感じました。
 こうした現状を考えると、県や市町村の「個人情報保護条例」に、「要援護者の名簿その他の情報を、自治体が管理し、災害などの場合に、その支援・救助のため、自衛隊、警察、消防、福祉団体その他一定の公共的な機関に提供できる。この情報を得たものは、それを要援護者のためにのみ用い、みだりに漏洩しないよう注意しなければならない」というような条文を追加することはできないか、知事に提案したいと考えています。
 または、地域防災計画にこうした対応を明文化することも有効であると考えています。
参考写真 つぎにペットの関する問題に関しては、避難の際の同行避難(同伴避難)と避難所での対応を、地域防災計画に明示するよう知事に提案します。
 例えば、新潟県の地域防災計画では、「愛玩動物の保護対策」という“節”が設けられ、震災時の飼い主の役割、県、市町村、獣医師会、暗岩動物協会が明確に役割分担され、「動物救護本部」の設置が明確に定められています。その上で、避難時には動物と同伴できる体制整備や、避難所に動物同伴の被災者を受け入れられるよう配慮するよう求めています。
 井手県議が現地調査を行った東京都動物救護本部、福島県動物救護本部でも強調されたことは、避難の際の動物同伴は、結果的に被災者の精神面の事を考えても、取り残された動物を保護したり捕獲したりする労力と経費を考えても、非常に効果が高いということでした。
 もちろん他の避難者に迷惑をかける事はできませんので、災害の発生前に動物に対する対応をしっかりと検討し明文化しておく必要があります。
 井手県議は、事前の担当者との意見交換でも、こうした点を強調し、代表質問で知事の会え向きな答弁に繋げたいと考えています。
 なお、茨城県の地域防災計画の地震対策編と津波対策編は、その素案がまとまり、現在パブリックコメントを受け付けています。是非皆様のご意見をお寄せください。
参考:「茨城県地域防災計画(素案)」に対する意見募集