参考写真 国の平成24年度予算が衆議院を通過し、論戦の舞台が参議院に移りました。衆議院と違って、野党が多数を占める参議院では年度内に成立する見込みはなく、暫定予算の編成も話題に上がっています。
 民主党政権になってからの本予算編成では、3年続けて新規の国債発行額(借金)が税収を上回る異常事態となっています。民主党政権の“赤字体質”を徹底して糾弾しなければなりません。野田首相は、やみくもに国家財政を肥大化させた責任を重く受け止めるべきです。民主党政権には、歳出削減の努力が決定的に足りないことを強く指摘します。
 赤字体質の根本原因は、民主党が2009年の衆院選で掲げたマニフェストにあります。民主党はマニフェストで予算の全面組み替えやムダ遣いの根絶などにより、2013年度には16.8兆円もの「新しい財源を生み出す」と豪語していました。しかし、実際の本予算編成では十分な財源が確保できず、マニフェストに掲げた政策を次々に断念。2012年度予算案では、目玉政策だった子ども手当(月額2万6000円)は満額支給されないまま廃止され、高速道路の無料化は予算計上されないなど、民主党のマニフェストが完全に崩壊したことを印象付けました。
 民主党政権による3度の本予算編成では、「財源捻出は可能」との強弁が“大ウソ”だったことが明らかになったのです。民主党は財源の裏付けがないのに自らのマニフェストに固執し、“借金漬け”の予算編成を繰り返してきました。将来にツケを回してきた罪は極めて重い言わざるを得ません。
 また、公明党は予算審議の中で、民主党政権における歳出総額が自公政権時代と比べ平均8兆円程度も水膨れしている実態を指弾してきました。野田首相はしきりに消費税の引き上げを訴えていますが、これほど財政規律が緩みきった状態で引き上げられては、たまりません。
 まずは、ゆがんだ財政規律をきちんと正すことが先決です。一方、2012年度予算案で許せないのは、基礎年金の国庫負担割合を2分の1にするための2.6兆円の財源を、一般会計に計上せずに「年金交付国債」で対応し、歳出と国債発行額を本来より少なく見せ掛けていることです。こんな“ごまかし”を見過ごすわけにはいきません。
 年金交付国債については、安住財務相も「いい選択だとは思っていない」と答弁しています。ならば、直ちに撤回するのが筋です。公明党は参議院の予算審議においても、こうした民主党政権の予算編成の問題点を厳しく追及していく方針です。