
田内教授は、放射線が遺伝子に与える影響を研究する専門家。原発事故が起き、放射能の飛散が強く懸念された昨年3月14日から、積算線量計を常に携帯し、この一年間に被曝した放射線の量を測定しました。
田内教授は、「私の生活パターンは、水戸市の平均的なサラリーマンとほぼ同じだと思います。この1年間で受けた外部被ばく線量は年間0.682mSvで、事故前の水戸市の平年値0.54mSvに比べて、約25%増加しました。この実測値を基に、内部被ばくを試算すると、外部・内部被ばく合わせて最大約0.2mSv(事故前の自然界からの被曝量は1.4mSv。それに、0.2mSvの原発事故による被曝量が加わる)となりました。一般公衆限度の1mSvを下回わりました。現実に25%被ばく量が増えたことは事実なので、この値をどう捉えるかは人によって、その尺度が違うと思いますが、健康リスクは極めて低いと思います」と、語りました。

井手県議は「子供たちの健康調査に関しては、晩発性の障害の発生も考慮して、3年後・5年後の甲状腺検査なども必要ではないか」と質問。田内教授は「国が福島県で大規模な健康影響調査を行っています。これが基本データとなります。低線量被曝の影響はすぐには出ませんので、福島で何らかの影響が予見された時点で、すぐに対応できる体制を作っておく必要があります。その意味で、5年後に一斉に甲状腺ガンの検診を行うなどの施策は有効だと思います」と説明しました。