参考写真 今年2月に公明党は、東日本大震災からの復興と日本経済の危機克服を掲げ、超円高やデフレ脱却に向けた総合経済対策に関する緊急提言を発表しました。この中に掲げられた「防災・減災ニューディール」政策は、防災設備や社会インフラに対する公共投資を短期集中的に行うことで、人々の働く場を創り出し、防災対策と経済の活性化を同時に成し遂げようとするものです。
 現在、日本経済は長期のデフレと急激な円高によって極めて厳しい状況にあります。特にデフレからの脱却は最重要課題と言えます。そのために必要なものは金融政策と需要創出です。そして、需要創出の大きな柱となっているのが「防災・減災ニューディール」政策です。
 南関東直下地震や東海・東南海・南海の3連動地震に対する防災意識が高まっています。日本全国の道路や上下水道などは老朽化が進んでおり、20年後には全国で半分以上が建築後50年を迎えるとの試算も出ています。この政策は災害が起きる前に老朽化した社会資本への公共投資を短期間で集中的に行うことによって、全国で防災機能の向上を図ると同時に、社会全体に需要を生みだし、経済を活性化させようとするものです。
 特に、東日本大震災で大きな被害を受けた東北では単なる復旧ではなく、「災害に強い東北を作る」ことを通じて、経済を活性化させ、安全・安心を確保する必要があります。災害に対する安心だけでなく、生活の安心を保障する雇用を創り出すことによって、人々の復興への意欲を支えていきたいと思っています。まさに「東北ルネサンス」とも言うべき政策が、公明党の主張する「防災・減災ニューディール」政策です。
 具体的な実施にあたっては、地域の意見や要望等を十分に踏まえた上で、社会インフラ等の老朽化対策を含む「災害につよいまちづくり」のための工程表を策定し、計画的かつ大胆な集中投資を行うべきです。
 こうした施策の推進にあたっては、公的資金だけでなくPFIやPPP、レベニュー債の発行など民間の知恵と資金を積極的に取り込むことが重要です。
 具体的には、公明党では、次のような政策を具体的に提案しています。
  • 老朽化が進む社会インフラの更新
    道路や橋梁、上下水道、河川道、港湾など、老朽化が進み更新時期が近づいている社会インフラについて、思いきった維持・更新のための集中投資を行うべきである。また、電気、ガス、水道、通信などのライフラインの共同溝化・無電柱化を促進し、都市の防災機能の向上を図る。
  • 災害に強いまちづくり
    地域の安全・安心のために、学校等の公共施設や病院・介護等の社会福祉施設など地域の防災拠点の耐震化及び防災機能の強化を推進する。密集した市街地の再開発として、細分化された宅地の統合や、公園、緑地、広場、街路等の公共施設の整備、有効なオープンスペースの確保等を一体的・総合的に推進し、安全で快適な都市環境整備に取り組む。
  • 防災・減災のためのハザードマップ作成の加速
    安全・安心な社会基盤を構築するために、全国における地震・津波・洪水等の自然災害に関するハザードマップの作成を加速する。
  • データセンターによる都市機能のバックアップ体制強化
    首都をはじめとする都市のバックアップ機能を補完するため、国内データセンターの東西分散整備を推進する。
  • 次世代通信網の先駆的開発等による災害対策強化
    次世代通信網の先駆的開発と関連技術のオープンイノベーションを推進するとともに、これら情報通信技術を活用した地域防災・減災対策を強化する。