政府の“再稼働ありき”は拙速、不誠実。地元の理解、国民の納得が大前提

関西電力大飯原発2、4号機(福井県おおい町)の再稼働への政府の方針をどう見るか。
斉藤鉄夫幹事長代行 政府の方針は「再稼働ありき」で、国民の不安に応えようとしておらず、拙速かつ不誠実な態度だと思います。やはり、地元の皆さんの理解、国民の納得を得ることが大前提であり、それがない限り、再稼働をすべきではありません。
公明党は原発再稼働について、どう考えているか。
斉藤 公明党は、段階的に原発への依存を減らし、最終的には原発に頼らない社会を構築していくという、「脱原発依存」の方針を掲げています。
 ただし、これまで日本の電力供給の3分の1を賄ってきた原発を直ちに廃止して、日本の経済や国民生活を守れるかどうか考慮しなければなりません。国民の納得を大前提に一定期間、原発を再稼働させることは、やむを得ないと思います。
 問題は、再稼働の判断の在り方です。東京電力福島第1原発事故の教訓を踏まえて新しい安全基準を作り、それにのっとって安全対策を講じた上で再稼働の是非を判断することが基本です。

公明党は将来的な原発の在り方、日本のエネルギー政策について、どう考えるか。
斉藤 将来的な方向性は「原発に依存しない社会」であり、そのための方法として(1)エネルギー使用の効率化を図る省エネ、(2)火力発電などにおける化石燃料の効率的な利用、(3)太陽光などの再生可能エネルギーの強力な普及・推進―の3点があると思っています。
 再生可能エネルギーについては、今年7月から電力会社に再生可能エネルギーによる電力の買い取りを義務付ける固定価格買取制度が始まります。こうした施策により原発への依存度を下げ、新たなエネルギー社会の構築をめざします。