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 5月3日より5日まで、日立市宮田町のお祭りロードで、巨大な山車の上で“からくり人形”が演じられる「日立風流物(ふりゅうもの)」が公開されています。今年は、7年に一度の神峰神社の大祭礼に当たり、通常は毎年交替で東町、西町、北町、本町の4つの町内の風流物が一基ずつ公開されているところ、4基同時に公開されます。
 あいにくの春の嵐で、5月3日は中止となり、4日は小雨の中決行されました。井手よしひろ県議が、会場を訪れた午後3時過ぎには雨も止み、待望の青空のもとでの風流物公開となりました。
 日立風流物の高さ約15メートルの山車には、前面に5段、裏に1段の舞台が設けられています。内部では約30人が何本ものひもで計約20体の人形を操り、大がかりなからくり人形芝居を繰り広げます。中には、弓を引いて実際に弓矢を飛ばすからくりなどもあります。
 さらに、こうした表舞台(表山)を、180度転回させて裏舞台(裏山)に場面転換するシーンは、圧倒的な迫力があります。
 日立風流物は、2009年にユネスコ無形文化遺産の代表一覧リストに記載されました。祭礼関係では「京都祇園祭の山鉾行事」と並んで登録され、国内では2例だけです。
 読売新聞の地元版の記事によると、文化庁の前田俊一郎文化財調査官は、日立風流物が代表一覧リストに記載された理由について、1.人形の数、からくりが多く、山車が最も発達した形、2.大がかりな山車が脈々と地元の一般住民によって維持されてきた、と説明しています。
 これだけのすばらしい伝統文化ですが、知名度が低く、観光客も充分に動員できていないという現実があります。貴重な文化遺産を観光振興や交流人口の増加にどう活用していくかが、大きな課題となっています。
 最終日の5日は、11:00から北町・西町、11:40から東町・本町、13:10から4兆同時公開との予定です。
 詳しい問い合わせは、日立市郷土博物館(0294・23・3231)へ。