120520minsyu 75歳以上を対象とした後期高齢者医療制度の見直し法案に関し、政府・民主党が名称変更など現行制度を微修正した上で、当面存続させる案を検討していることが分かりました。
 制度廃止に反対している全国知事会などに配慮した内容。廃止を明記した民主党の2009年衆院選マニフェスト(政権公約)からは大きく後退することになります。
 民主党政権は、75歳以上を対象とした後期高齢者医療制度について、民主党の政権公約に沿って、廃止する法案を今の国会に提出する方針でした。そして、サラリーマンやその家族らは勤め先の健康保険に、それ以外は国民健康保険に入るなどとする、厚生労働省の有識者会議がまとめた案を基に法案を作成する方針です。
 しかし、有識者会議の案で、国民健康保険の運営主体を現在の市町村から都道府県に移すとしていることに対して、知事会側は「赤字体質が改善されないまま運営を担うのは認められない」と強く反発しています。
 このため、民主党内には、当面は75歳以上の部分だけ、国民健康保険の運営を都道府県に委ねる案などが浮上していますが、知事会側は、国民健康保険の運営に対する国の支援を求めており、同意を得られる見通しはたっていません。また、この案では、国民健康保険の抜本的な改革が進まないとして、市町村の中にも反対する意見があり、政府・民主党は、引き続き関係者との調整を進める方針ですが、政権公約どおり法案を今の国会に提出するのは難しいという見方が出ています。
 民主党は野党時代、「お年寄りをいじめるな」というのぼりを立てて自民党政権を攻撃。2009年衆院選公約に「後期高齢者医療制度廃止」を掲げ、政権交代の大きな弾みとなりました。
 2010年参院選には「13年度廃止」と工程表まで盛り込みました。「後期高齢者医療廃止!」の民主党マニフェストは、全くの嘘だったことが明らかになりました。