指揮系統から情報交換まで 具体的で実効性ある提携に
参考写真 3・11東日本大震災の大きな教訓として、災害時に自治体間で互いに助け合うことを取り決める「相互応援協定」の意義が、にあらためて注目されています。
 既存の協定の内容について見直しを進めるだけでなく、新たに協定を結ぶ自治体も少なくない。三つ以上の市町村が提携し合うという、より広域的な取り組みも見られます。
 この動きを大切にし、災害列島全域に自治体同士の“横の連携による支援網”を深く広く張り巡らせていくべきです。
 相互応援協定の締結は、1995年の阪神・淡路大震災を契機に進みました。消防庁によると、2010年4月1日現在、協定を締結している市町村数は1750団体のうち1571団体に上り、都道府県レベルでも30件を数えます。
 大半の自治体が既に締結済みというわけですが、東日本大震災を経験した今、全国で約1割の自治体が未締結です。一つでも多くの自治体が協定締結に取り組むことを期待します。
 さらに、その協定の内容を充実させることも重要です。
 東日本大震災では、被災自治体の多くが締結先の自治体から物資や人員の提供を受けるなど、相互応援協定の有効性が浮き彫りになりました。しかし、その一方で、協定の内容が抽象的過ぎたり、日ごろからの交流が希薄だったりしたために効果的に機能しなかった事例も少なからずありました。
参考写真 この経験に学び、これから新たに協定を結ぶ自治体も、既に協定を結んでいる自治体も、中身をよく精査して、より実効性ある協定とすることが重要だ。指揮系統から情報連絡のあり方に至るまで、一つ一つの項目を具体的に定めておく必要があります。共同防災訓練の実施など、いざという時に備えた日ごろの交流に関わる項目も盛り込むべきです。
 提携先の自治体を遠隔地にも求め、複数の市町村で重層的に支援し合う体制を築くことも大切です。近隣自治体同士だけの協定では、共に被災するため、広域災害には対応できないからです。
 相互応援協定の広がりは、「防災減災国家・日本」の建設を下支えすることになる。公明党が主張しているハード政策としての「防災・減災ニューディール」を推進する上でも欠かせない災害ソフト対策の柱と言っても過言ではありません。
 全国に広がる議員ネット力を生かして、“わが故郷”にふさわしい協定の締結・充実に、公明党は全力を挙げてまいります。
災害時ホームページ代理掲載について〜遠隔地の自治体と連携〜
 井手よしひろ県議は、物資の提供や職員の派遣などと共に、被災自治体の情報提供分野での支援の重要性も強調しています。
 東日本大震災の発生直後、各市町村のウェブサイトが通信機器の損壊などにより閲覧できない状態が続いたことを受け、大規模災害時に住民に的確な情報発信を行うため、遠隔地の自治体と相互に連携し、ホームページを代理掲載する仕組みが注目されています。