120530hyou_10 5月23日、厚生労働省の予防接種部会は、公明党が一貫して主張していた「子宮頸がん」「インフルエンザ菌b型(Hib=ヒブ)」「小児用肺炎球菌」の3種の予防ワクチンについて、優先して定期予防接種に加えるとの提言をまとめました。
 現在、3ワクチンは市町村による公費助成が行われています。現行措置では、子宮頸がんは基本的には中学1年から高校1年の女子、ヒブと肺炎球菌は0〜4歳児を対象としています。
 ただ、3ワクチンは任意接種(2類)に分類されています。任意接種の場合、ほとんどが全額自己負担で、一部負担や無料で受けられる定期接種とは大きく異なります。
 厚労省は来年度からの定期接種に向けて、「今国会も視野にできるだけ早く予防接種法改正案を提出できるよう、市町村とも調整したい」としています。3ワクチンの定期接種化で感染症対策が大きく前進すると期待されます。
 子宮頸がんは若い女性を中心に増え、年間約2500人が亡くなっています。ヒブや肺炎球菌は乳幼児の髄膜炎を引き起こし、死亡率は2〜6%。重い後遺症を残す可能性もあります。
 この子宮頸がんはヒトパピローマウイルスの感染が主な原因であることが分かっており、ワクチン接種と検診で、ほぼ予防できるとされます。しかし、子宮頸がんワクチンは接種費用が4万〜5万円と高額で家庭の負担は重いのが実情です。家庭の経済状況によっては守れる命も守れません。
 そのため、公明党が公費助成を強く主張し、2011年度には、ほぼ全ての自治体で公費助成が実施されるまでになりました。
 しかし、今年度末でこうした助成が期限切れを迎えることから、恒久的な措置が求められていた経緯があります。
 日本ではこれまで、ワクチンによる副反応の問題などを背景に、予防接種行政に対して慎重な対応が講じられてきたこともあり、3ワクチンを含めて世界保健機関(WHO)が勧告しているワクチンが予防接種法の対象となっていませんでした。
 このため、日本は先進国に比べ公的に接種できるワクチンが少なく、予防可能な病気への対応も遅れる“ワクチン後進国”と指摘されてきました。
 このような状況を踏まえ、厚労省の予防接種部会の提言では、WHOが推奨している水痘(水ぼうそう)、おたふくかぜ、B型肝炎、成人用肺炎球菌の4ワクチンについても、財源が確保され次第、定期接種とすることが望ましいとしました。
 ワクチンの定期接種拡大について公明党は、国会質疑などを通して、繰り返し実現を求めてきました。