6月14日、県議会の定数削減と選挙区割りの見直しなどを検討している県議会改革等検討会議に、いばらき自民党より定数の2削減と議員報酬を12%カットする案が提示されました。これによって、県議会各会派の提案が出揃いました。
 15日に付けの新聞各紙は、早速、県議会の定数問題に関しての記事を掲載しました。このブログでは、各紙の報道を紹介させていただきます。
県議会定数:自民、2減案発表、議員報酬12%カット
茨城新聞(2012/6/15)
参考写真 県議会の定数(現行65)見直し論議で、最大会派いばらき自民党は14日、1.定数を2減の63、2.議員報酬12%カットーとする案を発表した。「トータルで定数7減と同じ経費節減効果」(海野透同党県連会長代行)としている。これで民主党56▽自民県政ク60▽公明党59▽共産党65▽みんなの党42−とする各会派案が出揃った。議長の諮問機関「県議会改革等調査検討会議」は27日、意見集約に入るが、主張の隔たりが埋まるかが焦点だ。
 記者会見した海野氏は、定数2減の根拠について「全国都道府県議会の議員1人当たり人口の平均4万6856人(2010年国勢調査)を上回ることが前提」と説明。2減だと現行4万5689人から4万7139人に増え、全国平均をクリアするという。
 併せて「県財政は厳しく、県議会として範を示す」として、議員の月額報酬を現行85万円(全国12位)から12%、10万2千円減の74万8千円(同35位)とし、期末手当も12%削減する案を決めた。県内市町村長の月額報酬の平均81万8千円を下回る水準で、県議5人減に相当する経費節減になるという。
 県議会は財政難を理由に07年度から議貞報酬を臨時的に10%カットしているが、自民案では2%上乗せして恒久減額に切り替える。
 海野氏は「単に減らせは感情論。過度な定数減は人口の少ない地域に政治の光が当たらなくなる」と述べ、小幅な定数減と全国で4番目に削減率の高い議員報酬減のセット案に理解を求めた。「一票の格差は3倍以内にする」と明言し、今後の区割り見直し論議の中で選挙区間の定数増減を否定しなかった。
 自民案について、民主の長谷川修平県議は「定数と報酬は別問題。事実上でなく定数7減の58とした方が県民に分かりやすい」、公明の井手義弘県議は「単純な2減と、例えば10増12減では意味が違う。自民案を見極めたい」と述べた。
定数9滅、選挙区32 民主党県連案
 民主党県連は14日、県議会議員定数と選挙区割りの見直しについて、定数は現行65を56とし、選挙区は36を32とする見直し案を発表した。議員1人当たりの人口は5万3000人となり、一票の格差は最大1.88倍と2倍以内に抑えている。
 同県連によるど、定数は他県の例を参考に削減。現在3倍となっている1票の格差は2倍以内を目指した。市郡合区を増やすことで、いわゆる「死に票」をなくし、県民の多様な声に対応できるとしている。
 定数について長谷川修平幹事長は「県議会改革に対する県民の声を真筆に受け止め、思いきった削減が必要」と意義を強調した。
自民が県会定数2減案 議員報酬12%減
読売新聞(2012/6/15)
参考写真 県議会改革の一環で協議が進む議員定数(65議席)の見直しについて、いばらき自民党は14日、定数2減と議員報酬を恒久的に12%削減する改革案を発表した。最大会派が数字を正式に示したことで、定数は63議席となる公算が大きくなったが、1票の格差是正、選挙区見直し、議員報酬削減などを巡り、各県議の思惑が新たな火種となりそうだ。
 自民が示した定数2減の根拠となったのは、議員1人当たりの人口。全国平均が4万6856人なのに対し、県内では現状4万5689人で下回っている。定数を2人減らし63人にすると、4万7139人で全国平均を上回る。
 さらに、県の財政を考慮し、議員報酬を85万円から12%減らし74万8000円に改める。これにより、県議5人分を節減でき、定数2減と合わせ7人分を減らした計算になるとしている。
 削減する2議席について、具体的な方法や選挙区などは示さなかったが、3・09倍となっている1票の格差を3倍以内とする方針で調整する。関係者によると、現状の選挙区のままなら、複数人区の「茨城町・大洗町」「筑西市」「取手市・利根町」「水戸市・城里町」「日立市」の各選挙区が削減対象になるとみられる。
 自民は今月27日に開かれる議長の諮問機関「県議会改革等調査検討会議」に、定数削減と報酬削減をセットで提案する方針だが、報酬削減案を加えたことで、他会派からの反発が予想される。
 自民案をまとめた海野透県議は「報酬削減は議会改革の流れの中で何の不思議もない。多数決の論理になるかもしれないが、理解を求めて最善を尽くしたい」と話した。一方、公明党議員会の井手義弘代表は「報酬削減は議論のすり替え」と疑問を呈した。
 議員定数の見直しについては各会派がそれぞれの案を示しており、削減後の定数は、民主56、自民県政クラブ60、公明59、共産65、みんな42だった。
◇「実質7減」苦肉の策
 いばらき自民党は定数削減について、会派内の思惑と葛藤の中でようやく軟着陸をした。
 県議会で圧倒的多数を握る自民にとって、定数削減は身を削る作業だ。会派内でアンケート調査を行い、役員会や議員会を何度も開き、慎重な議論が繰り返された。にもかかわらず、影響を受けそうな選挙区のベテラン議員に遠慮し、口を閉ざす議員も多かった。決定を幹部に一任し、意見するのを避ける議員もいた。
 共産を除く他会派が5〜23減の積極的な削減案を打ち出す一方、自民案は2減にとどまった。12%の報酬削減をセットにし、実質7減というのも仲間を守るための苦肉の策と言わざるを得ない。
 定数削減が求められたのは、すなわち県議不要という県民の厳しい声にほかならない。わずか二つのイスを減らすより、不要と言われる自らの仕事を顧みるのがまず先なのかもしれない。議会改革を通し、議員一人ひとりが存在意義を示すことを期待したい。

自民会派「2減」案 報酬12%カットも
朝日新聞(2012/6/15)
参考写真 見直しが議論されている県議の定数(65)について、最大会派のいばらき自民は「定数2減、議員報酬12%カット」を会派案として決め、14日、発表した。27日に各会派の代表者が集まって最終的な議論をするが、意見が割れた場合、44人を抱える最大会派いばらき自民の案で決着する可能性が高い。
 自民党県連の海野透会長代行は「定数削減はやむを得ないが、減らしすぎても地域ごとの課題に取り組めない。県議1人当たりの人口が全国平均を上回るよう計算し、2減とした」と説明した。県議1人当たりの人口は現在4万5689人と全国平均(4万6856人)を下回っており、2減の場合は4万7139人になる。
 月額約85万円の議員報酬は、12%カットで約75万円に。定数2減と合わせると年間で約1億4500万円の削減が見込めるという。
 他会派からは批判が相次いだ。定数9減を提案する民主の長谷川修平氏は「2減では県民の日成真撃な議会改革と映らない」。6減が妥当とする公明の井手義弘氏は「(自民は)思い切った定数削減ができないから、報酬カット案を示してつじつまを合わせようとしているように見える」と切り捨てた。23減を主張するみんなの梶岡博樹氏は「2減では県民の納得は得られない」と批判した。
 一方、5減を掲げる自民県政クラブの江田隆記氏は「各会派それぞれの事情がある」。唯一現状維持を唱える共産の大内久美子氏は「県政のチェック機能も県議の重要な役割。減らしすぎてもよくない」と話した。

県議会:議員定数、自民党が2減案 議員報酬も12%削減、27日に論議
毎日新聞(2012/6/15)
参考写真 県議会最大会派の「いばらき自民党」は14日、議員定数(現行65)を2議席減の63とする会派案を取りまとめ、発表した。定数に加え、議員報酬も現行の10%減に2ポイント上乗せして12%削減する。27日に開かれる議長の諮問機関「県議会改革等調査検討会議」(海野透座長)で座長案として示される。27日の会議で新定数を決め、次回以降、選挙区割りについて議論したい考え。
 同日記者会見した海野氏によると、10年の国勢調査に基づいた議員1人当たりの人口は4万5689人で、定数を2議席減らせば4万7139人となり、全国平均とほぼ並ぶ。また、議員報酬の削減率を12%とすることにより、現在議員1人当たり月額85万円の報酬が、74万8000円に減額されるという。この減額は5人分の議員報酬に相当することから、「定数58と同じ経費削減効果をもたらす」としている。
 現在、県議選の選挙区における「1票の格差」は、最大で牛久市区(定数1)と東茨城郡南部(同2)の約3・09倍。海野氏は「格差を是正し、3倍以内に解消したい」としている。
 定数削減を巡っては、民主党が9人減となる定数減を主張。現行36の選挙区を合区で32とする案を示し、「最大格差を2倍以内に収める」としている。公明党は「人口5万人に1人が妥当」などとして、定数は59とし、選挙区割りは3案を提示。この他定数については、自民県政クラブが60、みんなの党が42、共産が現状維持を主張している。