6月16日、井手よしひろ県議ら公明党茨城県本部は、水戸市内で政経懇話会を開催しました。県本部代表の石井啓一党政調会長が、昨晩合意した民主・自民・公明の三党協議の経緯やその中に盛り込まれた公明党の主張について語りました。その主な内容は以下のとおりです。
  • 公明党は消費増税の議論の前提として、1.社会保障の全体像を示す、2.景気回復、3.行政改革の徹底、4.消費税の使途は社会保障に限定、5.税制全体の改革で社会保障財源を捻出の5点を主張してきました。3党協議では、この5条件を極力満たせるよう、真剣に協議を重ねました。100%ではないかもしれませんが、皆さんに納得していただける成果を挙げられたと判断し、合意に至りました。そもそも公明党は自公政権時代、毎年1兆円程度増えていく社会保障の安定的な財源を確保するため、消費税を含む税制の抜本改革が必要だと判断しました。
  • まず、「社会保障の全体像を示せ」と強く主張してきました。民主党が掲げている最低保障年金の創設などを柱とする新年金制度案と後期高齢者医療制度廃止法案の取り下げを強く迫ってきました。度重なる協議でも平行線でしたが粘り強く交渉した結果、最終的に3党の確認書の1番目で、今後の公的年金制度と高齢者医療制度の改革は、「あらかじめその内容等について三党間で合意に向けて協議する」ということになりました。この「内容等」の中には実施時期も含まれます。閣議決定された両法案の実施時期が事実上、取り下げられたということになります。確認書に沿っていえば、両法案とも内容を変更しなければ3党間協議で合意できないので、民主党マニフェストの撤回につながります。
  • 「景気回復」に関しては、政府案では「実質2%、名目3%の経済成長をめざす」と掲げたにもかかわらず、そのための対策は極めてあいまいでした。公明党は「防災・減災ニューディール」など具体的な景気対策を法案に明記し、それを着実に実行していくよう強く訴えてきました。結果として、防災・減災対策などを軸にした景気対策の検討を盛り込ませることができました。
  • 「行財政改革の徹底」については、今回の3党協議の具体的な議題には登りませんでしたが、今後、幹事長レベルで協議を継続させることになりました。
  • 「消費税の使途は社会保障に限定」することについては、すでに民主党の原案に明記されました。
  • 「税制全体の改革で社会保障財源を捻出」することに関しては、自民党との意見の開きも大きく、今年12月の税制改革の議論の中で、更に協議を進めることになりました。
  • 消費税には低所得者ほど負担感が重い「逆進性」の問題をはらんでいます。そこで、公明党は低所得者対策の拡充を強く訴えてきました。
  • その結果、当初の政府案にはなかった軽減税率を低所得者対策の選択肢として法案に明記することになりました。消費税率を8%に引き上げる際の低所得者対策の選択肢は「簡素な給付措置」と軽減税率です。税率10%超の際は、減税と給付を組み合わせる「給付つき税額控除」と軽減税率が選択肢です。また、低所得者対策は公明党の主張を踏まえ、「しっかりとした措置」で立法化を検討していくことになりました。公明党が修正協議に加わったことで、低所得者対策を大きく前進させることができました。
  • 公明党が強く求めた国民年金の充実策も認められました。年金保険料を10年納めれば、その割合に応じて年金がもらえるようになります。また、低所得者への25%の加算年金も、低所得高齢者らを対象とした「福祉的な給付」という形で実現しました。これは政府が提出した社会保障関連5法案とは別途、法律をつくる必要があります。その法律は消費税率の引き上げまでに成立させるということを確認したので、「社会保障改革を置き去りにした増税先行は許さない」という公明党の主張が反映されています。さらに、厚生年金と共済年金の被用者年金の一元化を決めました。
  • 子育て政策も充実しました。公明党が提案していた考え方を基にした修正になっています。政府提出の総合こども園法案を撤回し、現行の「認定こども園」を拡充します。また、文部科学省と厚生労働省による二重行政を排し、単一の施設として認可・指導監督を一本化。財政的支援も拡充することにしています。子育て関連で懸念があった市町村の保育の実施義務を外すということについては、引き続き義務を担うようにしました。