東日本大震災での活用市町村は5自治体、「制度自体が使いづらい」
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 6月11日、茨城県議会保健福祉委員会で、井手よしひろ県議は、東日本大震災における「災害救助法の応急住宅修理制度」の活用状況について質問しました。
 東日本大震災では、県内44市町村の内37市町村が、災害救助法の適用を受けました。しかし、災害救助法に定められている「住宅の応急修理制度」を活用した市町村は、わずか5つにとどまっていたことが、井手県議の質問で判明しました。
 災害救助法の住宅応急修理制度は、半壊以上の住宅被害を受け自ら修理する資力のない世帯に対し、居室やトイレ、台所など必要最小限の部分を市町村が業者に依頼し、一定の範囲内で応急的に修理する制度です。上限額は一世帯当たり52万円と定められています。
 県内の活用状況は液状化被害に見舞われた潮来市が601件と最も多く、神栖市28件、鹿嶋市8件、鉾田市2件、稲敷市1件と、5つの市に限られています。県内の半壊以上の住宅2万4506棟のうち、活用は3%未満でした。
 井手県議は「被災した住民にとって、居宅の修理を公費で出来る機会が失われたことは問題がある。活用した自治体としなかった自治体が出たことは、結果的に被災住民に不公平な対応であり、県がしっかりと市町村を指導・支援する必要があったのではないか」と指摘しました。
 そもそもこの制度は、50年前に作られた災害救助法に則っており、「被害発生から1ヶ月間に工事が完了する」ことや「市町村が直接、業者に工事を発注する」頃が原則であり、大規模な被災を受けた自治体にとって、制度の運営が非常に煩雑で困難であることに大きな問題があります。
 5月6日に発生したつくば市の竜巻被害では、井手県議ら公明党県議団、つくば市議団の強い働きかけで、21日になってやっと住宅の応急修理制度の適用が決まりました。6月11日現在、36件の申請を受けています。
 井手県議らは、県に対して市町村への支援や指導を徹底することと、災害救助法の見直しを行うよう、党本部と連携して国に求めています。