120821toride0 8月21日、脳脊髄液減少症・子ども支援チームの主催による「健康セミナーinとりで」が、取手市の福祉会館で開催され、井手よしひろ県議も出席しました。
 脳脊髄液減少症は交通事故やスポーツ外傷等、身体への強い衝撃により、脳脊髄液が漏れ続け、頭痛、めまい、吐き気、倦怠感等の多種多様な症状が複合的に現れる病気です。
 外見的には見えない症状であるため、患者は、医療現場や交通事故時の保険関係者等の無理解に、苦しめられ、心身ともに計り知れない苦渋を味わってきました。
 平成23年5月、厚生労働省研究班による報告書に「交通事故を含め外傷による脳脊髄液の漏れは決して稀ではない」と明記されました。
 さらに、23年10月、脳脊髄液減少症の一部である「脳脊髄液漏出症」の診断基準が定められ、平成24年5月に、治療法の一つであるブラッドパッチ療法(硬膜外自家血注入療法)が「先進医療」として承認されました。7月から一部の病院で保険による診療が受けられるようになりました。
120821takahashi 脳脊髄液減少症は、学校による様々な事故で子どもたちも発症する可能性があります。頭痛、めまい、吐き気などの症状があり、寝ているときには症状が出ない事例も多いため、サボりや不登校などの怠惰な行為と誤解されることもあります。場合によっては、うつ病などの精神疾患と誤診された事例もあります。
 茨城県では、2005年の6月議会で、井手県議が初めて脳脊髄液減少症を取り上げ、9月には県による勉強会が開催されました。それから7年が経過して、やっと先端医療による保険適用が認められましたが、茨城県内の病院では保険医療が受けられません。
 この日の健康セミナーでは、子ども支援チームの鈴木裕子代表の経過説明。親御さんによる体験発表などが行われました。
 その後、東京山王病院脳神経外科副部長の高橋浩一医師が「脳脊髄液減少症について」と題した講演が行われました。高橋先生は、ブラッドパッチ療法の国内第一人者。様々な症例を紹介しながら脳脊髄液減少症とブラッドパッチ療法についてわかりやすく語ってくださいました。
参考:先端医療でブラッドパッチ療法を行なっている病院(8月20日現在)
新潟県 新潟市民病院
東京都 日本医科大学付属病院
愛知県 社会保険中京病院
兵庫県 医療法人明仁会 明舞中央病院
広島県 独立行政法人国立病院機構 福山医療センター
福岡県 社会医療法人 製鉄記念八幡病院
北海道 医療法人社団 函館脳神経外科病院
東京都 医療法人順和会 山王病院
静岡県 国際医療福祉大学熱海病院
愛知県 名古屋市立大学病院
岡山県 川崎医科大学附属病院
長崎県 日本赤十字社長崎原爆病院