参考写真 8月23日、県議会基本条例検討委員会が開かれ、県議会基本条例の骨子案について、県民の皆さまのご意見を伺う「県民の意見の声を聞く会」が県議会で開催されました。
 この意見を聞く会は、基本条例の制定にあたってより多くの県民の声を反映すべきとの私ども公明党会派の意見が反映させるために開催されました。
 今日、意見を伺った方々は、8名、各界各層の代表の方の多様な意見に、目からうろこ状態です。様々な啓発をいただきました。
 今日の参加者は以下の皆さんです。
  • 茨城県自治会連合会 会長 仁平二郎氏(石岡市)

  • 茨城県青年ネッワーク協議会 顧問 飯泉智弥氏(土浦市)

  • 茨城県女性農業士会 会長 原範子氏(神栖市)

  • (社)茨城県法人連合会女性部連絡協議会 会長 高島和子氏(水戸市)

  • 茨城県商工会議所青年部連合会 副会長 植木伸輔氏(結城市)

  • 茨城県森林組合連合会 会長 平塚修氏(常陸太田市)

  • NPO法人インパクト 代表理事 梶修明氏(日立市)

  • NPO法人ままとーん 前代表理事 鷲田美加氏(つくば市)
主なご意見を以下ご紹介します。

仁平二郎氏>
県議会と自治会連合会は通ずるところがある。わたしの生活をより良くしたと思っても、時に個人の力だけでは及ばないことがある。地域で考え、ルールをつくり、負担し合い、問題を解決していく。その意味では、県議会に親近感をもっている。
県議会が身近であると感じられることが重要。議員の日頃の活動について、県民の知らせる努力がもっと必要。議員と県民各種団体との代表者が一堂に会する場の充実が必要。基本条例の制定は、県民と議会の距離を身近にする第一歩と評価する。

飯泉智弥氏>
広報広聴活動の充実が不可欠。紙媒体では若い層へのアピールが不足する。携帯電話などに“いばらきアプリ”を、組み込んで茨城県の情報を提供するような取り組みを提案したい。その中に、議会の情報を組み込んでもらいたい。情報を取りやすい環境を提供してほしい。
さらに発信するだけではなく、情報の双方向性を生かした取り組も重要だと思う。

原範子氏>
農業に携わる者、食に携わる者、女性の立場から発言させていただく。茨城県らしい基本条例づくりを目指してほしい。
基本方針を箇条書きに明確に示すべきだと思う。政務調査費の使徒の明確化も必要。政治倫理で「公正・公平」といった言葉が使われているが「誠実」などといった、わかりやすく理解できる言葉を使ってほしい。

高島和子氏>
全体的にはよくまとまっている。議会としての説明責任は重要になる。具体的にどのように行うのか明示すべきだと思う。検査権と調査権を全うするためには、議員の資質の向上、研鑽が必要だ。
狭い選挙地盤のみ優先するのではなく、茨城県全体のことを考える、県全体を視野とした提言を県議会には期待したい。

植木信輔氏>
県議会議員の活動がわかりづらい。県政報告を年に2、3回やってほしい。選挙運動は一生懸命やってきた。しかし、応援した候補が落選すると、現職の議員の議会報告などに参加しづらい。
西会津町では、議会報告を地元と違うところで複数の議員がやっていると聞いている。こうした取り組みを是非実現してほしい。

平塚修氏>
団体関連の予算をもってくる県議会議員とのつながりは強くなる。
一般的には、地元の皆さんとの関係性は薄い。議員はもっと削減して、人口10万に1人ぐらいでいいのではないか。

梶修明氏>
支持者以外の方、多様な県民の意思をどのように吸収するのかが重要。
特に、議会の広報広聴活動は、選挙活動とみなされないためにも、一人で行うのではなく、複数名で行うべきだと思う。一人で行うとその議員のの支持者しか集まらず、結局声なき声、無党派層の声を聞くことができなくなる。無党派層の声を聞く仕組みを検討すべき。

鷲田美加氏>
二元代表制の役割がわかりづらい。県民の側の役割が見えづらい。自分たちの地域の課題は自分たちで解決する。県民の意識の啓蒙も必要。
例えば、子供たち向けの読み物なども検討してみてはどうだろうか。
お茶を飲みながら意見を交わす機会、ひろばのような場も大事だと思う。

 8人の参加者からご意見を伺い、その後、県議との意見交換を行いました。
 井手よしひろ県議は、「そもそも県議会議員は地域や団体などの特定の集団の利害の代表として選出されてきた経緯がある。その中で、多様な県民の意見を県政に反映させるのか大きな課題となっている。政策や意見が異なる県民との意見の直接的な交流をどのように進めていくべきと考えるか」と参加者に問いかけました。
 参加者よりは、「例えば出前議会などを活用して、多くの会派の県議と様々な考えを持つ住民の交流の場を作ったらどうか」「別に全て直接、会う必要はない。議案の検討過程から情報公開やネットの活用で十分工夫できるのではないか」などの意見が寄せられました。
 自民党が圧倒的な議席を有する茨城県議会では、自民党の県議に集約される意見が県民の声だという、考え方が支配しています。しかし、既成政党の政党支持率を全部あわせても4割程度にしかならない現状を直視すると、多様な県民の意見を、果たして県議会が代弁できているのか、厳しいご指摘を受けた思いがします。県議会基本条例の制定の議論が、ともすると二元代表制という視点を重視するあまり、知事(執行部)の権限・権力へどのように対応するかという考え方に流れてきたことに、大いに反省させられて意見を聞く会となりました。