参考写真 県議会の選挙区割りの議論が混迷の度を増しています。茨城新聞の報道(8月29日付け)によると、いばらき自民党は議員会を開き「水戸市選挙区(現行定数7)、筑西市選挙区(現行定数3)を各々1削減し、東茨城郡南部区(現行定数2)から大洗町を分離して1減、鉾田市選挙区(現行定数1)に大洗町を強制合区して1増とする案」を県議会改革等調査検討会議の座長を務める海野透県連会長代行に座長案の取りまとめを一任したとのことです。
県議会定数:自民意見集約に時間
茨城新聞(2012/8/29)
 県議会の新たな選挙区定数と区割りの見直し論議で、最大会派いばらき自民党(44人)は28日、議員会を開き、「県議会改革等調査検討会議」座長を務める海野透県連会長代行に座長案の取りまとめを一任した。議員会での議論百出を受け、海野氏は「まとまらなかった。9月の定例会終盤に議員会を再度開き、丁寧に意見を集約したい。12月までにまとまればいい」との考えを示した。
 複数の関係者によると、議員会には▽水戸市区(現行定数7)、筑西市区(同3)を各⊥減▽東茨城郡南部区(同2)から大洗町を分離して⊥減▽鉾田市区(同1)に大洗町を強制合区して1増−とする案が示された。
 「1票の格差」は現在の最大3.09倍から2.68倍に縮まるが、同党が当初目指した2.5倍以内には及ばなかった。
議員会は1時間半近くに及び、最終的に海野氏一任を取り付けたが、水戸市選出の議員から「水戸を減らす大義として、2.68倍から少しでも2倍に近づける改革案を」との注文が付いた。
 同党は現行定数65から2滅する方針の下、選挙区定数と区割りの見直し論議を今月から本格化させていた。
 東茨城郡南部は市町村合併で構成が2町まで減少したのを受け、「住民の交流・生活圏を踏まえ線引きを見直すもの」と、関係者は説明している。
 この報道が真実とすれば、全く改革の名に値しない現状維持のまやかしの案と言わざるを得ません。水戸市選挙区は定数が県内最大で現職自民4、民主1、公明1、共産1と多党化が進んでいるため、定数を削減しやすいという選挙区です。筑西市選挙区は、現行定数は3ですが、現職で先の県議選で圧倒的な勝利を収めた現職県議が、衆院選に転出することになっており、定数を削減しても現職からは異論が出ない選挙区です。
 一方、東茨城郡南部選挙区は、大洗町と茨城町の2町で構成され、いずれも各地域を地盤とする自民党の有力県議2名がいます。人口は52.841人で定数2ですので、県議一人当たりの人口は26,420人余りで、県内で最も少なくっています。今回の改革案は、この選挙区をばらすことで、名目上の一票の格差を少なく見せようとしているだけです。
 井手よしひろ県議が属する日立選挙区は、定数が5ですが人口は193,129人。また、つくば市は214,590人で定数4。人口が2万人以上離れている両市の議員定数が逆転しているのを放置することは許されるでしょうか?最低限、日立市の定数を1減することを強く求めます。