120913tamura_s 9月13日、県議会本会議が開かれ公明党の田村けい子県議が会派を代表して、橋本知事、小野寺教育長に代表質問を行いました。長い茨城県議会の歴史にあって、女性議員が代表質問に登壇したのは、田村さんが初めてです。この日は、公明党の前進である公明政治連盟が呱々の声を上げて50年目の節目の日。茨城県議会でも、遅ればせながら女性の県政参画の大きな一歩が記されました。
 田村県議は、1.茨城県のエネルギー政策、2.防災力の強化、3.環境政策の推進、4.県民の健康づくりの推進、5.県民の目線に立った行政サービスのあり方、の5点にわたって質問しました。
原子力発電についての認識を橋本知事に質す
参考写真 福島の原子力発電所の事故による放射能汚染が広大な地域に及ぶ中、大勢の人が長期にわたる避難を余儀なくされるとともに、子どもたちの健康や、農作物や食品への影響に対する懸念も高まる一方です。わが県においても、農業・水産業・観光業など、いまだに多くの事業者が風評被害に苦しんでいます。
 今なお原発事故の完全な収束への見通しは遠く、放射能によって汚染された土壌や廃棄物の除去や貯蔵についての課題も不透明なままです。汚染地域の環境をどう回復させていくのかといった課題や、放射能が人体に及ぼす晩発性の影響を含めて、将来世代まで多くの負荷を及ぼすこと。また、事故が生じなくとも、放射性廃棄物の最終処分という一点において、何千年以上にわたる負の遺産を積み残していくこと等の問題についてはいまだに根本的な解決方法はありません。
 持続可能性という視点からも、原子力発電に依存しないエネルギー政策を早急に検討していくべきと考えます。
 東海第二発電所の廃炉を求める署名も23万人を超えたと伺っています。一方で、これまで原発による電力供給を支えてきた地域に対する他の産業基盤の育成を含めた様々な手立てを講じることも重要です。東海第二原発には、約1300名が定期的に雇用され、交付金や税金を合わせると約180億もの経済的な影響があるといわれています。これらへの対策をどうするのか、検討も必要です。
 また、「脱原発依存」の流れの中で、今後、廃炉に向けての技術やノウハウの蓄積が必要となってきます。世界には400基を超える原子炉が運転中ですが今後、先進国を中心に寿命を迎える原発が増加し、本格的な廃炉時代に突入します。このような状況下にあって、国内の商業炉で、実際に廃炉工程に入っているのは東海原発だけです。
 日本で初めて原子の火がともったわが県は、廃炉作業においても、世界のリード役として、技術を戦略的に集積し、提供していく使命があるのではないかと考えています。
胃がん対策にピロリ菌ABCリスク検査の導入を
 がん対策には、がんの予防という視点が重要です。そこで今回は、胃がんとの因果関係が深いとされるヘリコバクター・ピロリ菌の検査の導入についてお伺いします。
 胃がんによる死亡者数はこの数十年横ばい状態にありますが、それでも年間5万人もの方が胃がんで尊い命を落としています。
 胃がんの原因がピロリ菌であることが特定され、ピロリ菌検査と除菌を有効に活用して胃がん撲滅を図るべきと考えます。
 そこで提案したいのが、血清ペプシノゲン値とピロリ菌検査を同時に測定することで、胃がんの発症リスクを4段階に分類して評価するABC検査の導入です。
 血清ペプシノゲン値は萎縮性胃炎の進展を示す値であり、胃がんが萎縮性胃炎を基盤に発症することから胃がんのリスク評価における有用性が認められています。また、ピロリ菌感染が胃がんの発症に深くかかわっていることから、この二つの指標を組み合わせることで、胃がんのリスクを知ることができます。リスクの少ない人は、毎年検診を受ける必要性がなくなり、ピロリ菌の感染者には除菌により胃がんを予防することができるのです。
 公明党としては、このピロリ菌ABCリスク検査を、特定健診時にオプション検診として導入すること、さらにその費用を公費で助成することを県内の市町村に提案しています。
 胃がんの主な原因がピロリ菌であることが特定され、その除菌方法も確立した今日、胃がんは、早期発見にとどまらず、除菌による予防ができるようになりました。
 胃がんのリスク軽減のためにも、ピロリ菌ABC検査を早期に導入することが望まれますが、知事のお考えをお聞かせください。