参考写真 改正動物愛護管理法が成立しました。今回の改正では、公明党の強い主張が反映され、「生後56日」を経過しない犬猫の赤ちゃんについて、繁殖業者がペット販売店などに引き渡すことを禁止したのが大きなポイントです。
 ただし段階的な措置として施行後3年間は生後45日とし、その後、「生後56日」とする科学的な根拠が明らかになるまでは生後49日としています。
 犬猫については、生後間もない時期に親から引き離すと、かみつき癖などの問題行動を起こすことが指摘されています。このため欧米では犬猫の流通・販売において、「8週(56日)齢規制」が定着しており、同趣旨の規定が改正法に盛り込まれたことは「動物愛護後進国」と呼ばれるわが国も世界標準にようやく近づいてきました。
 こうした週齢規制については、ペット業界では「45日」を自主目標として掲げていることもあり、民主、自民、国民の生活が第一、公明の4党実務者が参加した法改正の協議の場では、他党から段階的な緩和措置が提案された経緯があります。公明党は「科学的な根拠を基に議論すべきだ」との立場から、56日をめざして検証を重ねることは重要です。56日という目標を設定し、まず49日をめざすという今回の措置は、十分に妥当性があリます。
 また改正法では、動物取扱業者を二つに区分し、販売業などを営む従来の動物取扱業者を新たに「第一種動物取扱業者」として違反行為について罰則を強化しました。一方、営利を伴わない譲渡活動や展示を行う団体などを「第二種動物取扱業者」と位置付けて届出制を導入します。今までは、こうした団体の実態を把握することはなかなか難しく、今回の改正で動物愛護に携わる団体の全体像が見えてくるのではないかと期待しています。
 また、公明党の強い主張により、地域で放棄・遺棄された動物の保護や管理などを担ってきた動物愛護推進員に対して、国の支援も行われることが盛り込まれました。
 東日本大震災で被災動物の保護について問題になった経験から、都道府県が動物愛護管理に関する施策を推進するために定める「動物愛護管理推進計画」に、災害時に動物の適正飼養や保管を行うよう規定事項を追加しました。
殺処分ゼロを目指して法改正
参考写真 さらに、公明党が地方議員と連携して進めてきた“殺処分ゼロ”への取り組みが今回、条文に犬猫の「殺処分がなくなることを目指して」との文言で盛り込むことができたのは大きな成果です。
 公明党は“動物福祉”の確立という観点から「人と動物の共生社会」の実現をめざし、対策を推進してきました。2005年の動物愛護法改正では、公明党のリードで悪質なペット業者に対して営業停止命令が出せる規制強化などが盛り込まれました。また、2006年には国が10年間で殺処分数を半減させる基本指針を決め、その結果、2006年には35万匹だった殺処分数が4年後の10年には約20万匹にまで減っています。
 一方、茨城県では、犬の殺処分頭数が6年連続で、全国最多となっています(2010年度NPO法人「地球生物会議ALIVE」(東京都)による全国動物行政アンケート)。茨城県の処分頭数は前年度より519頭減り、3589頭(12.6%減)となリましたが、他の都道府県も減ったため、今回もワーストの汚名を返上することはできませんでした。
 県生活衛生課によると、3589頭のうち成犬は2099頭、子犬は1490頭。鹿行や県西地域からの処分頭数が比較的多くなっています。また、茨城県内でも、悪徳ペット事業者の違法事例も数多く報告されています。動物愛護法の改正を機に、犬猫の殺処分ワースト県返上を目指してまいりたいと思います。