参考写真 20〜30代の若い女性に増えている子宮頸がんの検診について、厚生労働省が従来からの細胞診に加えて、「HPV(ヒトパピローマウイルス)検査」を来年度から導入する方針を固めました。
 子宮頸がんはHPVウイルスへの感染が原因であることが明らかになっているため、検診項目にHPV検査を併用することで検診の精度を上げるのが目的です。
 井手よしひろ県議ら公明党は2年前の「子宮頸がん予防法案」提出以来、併用型検診の早期導入を粘り強く主張してきました。今回の厚労省の方針決定は高く評価します。
 ただ、女性の約8割が、一生に一度はHPVウイルスに感染するとされています。感染しても、通常は免疫力により自然に消滅します。たとえ消滅しない場合でも、すぐに子宮頸がんを発症するわけではありません。HPVへの感染が即、子宮頸がんと過剰に心配する必要はありません。このため、HPV検査では原因ウイルスであるHPVのDNAが子宮頸部に感染しているかどうかを調べるとともに、100種類以上あるHPVウイルスのどの型かを特定します。この型によって引き起こされる病気に違いが生まれることから、将来の危険性を予測しようとする検査法です。
 厚労省は来年度予算の概算要求に、このHPV検査への補助を柱とする新規事業費116億円を盛り込みました。HPV検査は、これまで一部の自治体にとどまっていましたが、子宮頸がんの早期発見のため、新たに30歳代への検診を中心に実施する予定です。
 子宮頸がんは毎年約1万5000人の女性が発症します。公明党は「予防と検診の強化で根絶できる」と主張し、まず、2009年度から子宮頸がん検診に無料クーポンを導入させた結果、検診率の向上に結び付きました。続いて、接種費用が4万〜5万円と高額な子宮頸がんワクチンへの公費助成を実現し、2011年度からは、ほぼ全自治体で実施されるまでになりました。
 公明党は、国民の命と健康を守ることが政治の最優先課題と考え、子宮頸がん対策を大きく前進させてきました。がんワクチンの接種、早期発見で、子宮頸がんは予防できる時代になってきたのです。
 なお、昨年から始まった、子宮頸がんワクチンの無料接種が、本年の接種率は約70%と昨年同時期と比較してかなり低くなっています。未接種の方が全国で100万人いると言われています。9月中に摂取しないと、3回の無料接種ができなくなります。
 がん撲滅には息の長い継続的な取り組みが必要です。行政機関も今一度、ワクチン接種の励行を呼びかけると共に、社会的にも摂取率の向上を呼びかけていくべきです。