人材不足でたらい回し、一日も早く国民に信を問え
121002sokaku 10月1日、野田第3次改造内閣が発足しました。いくら顔を替えたところで、民主党政権の限界はもう見えています。野田首相は潔く衆院を解散し、国民に信を問うべきです。
 わずか1年余りで3度目の内閣改造。今回の内閣改造は、あらためて民主党の人材不足と政権担当能力の欠如を強く印象付ける人事となりました。
 新内閣の顔ぶれでは、先月末の民主党役員人事で執行部を外れた前原国家戦略担当相(前政策調査会長)、城島財務相(前国会対策委員長)らが新たに入閣するなど、党執行部と閣僚を入れ替える、まさに“たらい回し人事”が目立ちました。
 唯一、注目を集めているといえるのは、小泉政権で外相を更迭された田中真紀子文部科学相くらい。しかし、「政権混乱の危険性」(産経新聞)、「両刃の剣」(朝日新聞)などと早速、登用を疑問視する声が上がっています。
 さらには、田中慶秋法相や小平国家公安委員長など、その他の新入閣組についても、民主党代表選の「論功行賞」、次期衆院選を見据えた閣僚未経験者の「在庫一掃」などと酷評される始末です。
 民主党内ばかりに目配りをした内向きの人事では、国民も期待のしようがありません。
 また、第3次の改造内閣は今回が戦後4度目となりますが、首相就任から約1年というのは、あまりにも短すぎます。短期間での閣僚交代は政策の一貫性、継続性を欠くだけでなく、結局、何をやりたいのかが分かりません。例えば、少子化対策担当相は野田政権で既に5人目、民主党政権では10人目を数えます。これでは子育て支援などに本気で取り組もうとしているとは到底、思えません。
 民主党には政権を担う実力がない上に、日本を良くしようとの意欲が、全く感じられません。こんな政党が政権の座に居座り続けるのは、国民にとって不幸の極みです。
 野田首相は約2カ月前の8月8日、自民、公明両党首と「近いうち」の衆院解散を約束しました。毎日新聞の世論調査では、この約束を「守るべきだ」との回答が71%に達しており、多くの国民は早期解散を待ち望んでいます。
 首相が呼び掛ける3党首会談では、「近いうち解散」も含め社会保障と税の一体改革に関する「3党合意」の履行を確認する必要があります。
 首相の最後の使命は早期に臨時国会を開き、必要最低限の懸案を処理した上で、一日も早く衆院を解散することです。国民の信を得た新政権の手で、「日本再建」へ踏み出さなければ、日本が沈没してしまいます。