療養費払いの対象外は病院負担も検討
参考写真 11月8日、東京医科大学茨城医療センターの松崎靖司病院長は、保険医療機関の指定が取り消された後でも、診療を行う患者の基準を公表しました。
 診療報酬の不正請求により茨城医療センターは、12月1日から保険医療機関の指定を取り消されることになっています。
 茨城県や国保の保険者である県内市町村は、茨城医療センターの保健医療機関が取り消されても「療養費払い制度」を活用して、診療を続けることを検討しています。「療養費払い制度」は、今回の指定取り消しで、医療費の10割に増える患者の医療費負担のうち、本来の保険者負担分(70歳未満は通常7割、70歳以上は1割)を例外的に保険者(市町村や健保組合)が支払う制度。患者負担はこれまで通りの自己負担額と同じになります。実務的には、センターがいったんその7割を負担し、患者に代わって保険者に請求する「療養費受領委任払い制度」が検討されたいます。しかし、この制度の対象となるのは、救急、透析、妊婦、特定疾患、難病、既に予約されている手術、転院搬送により病状が悪化すると思われる患者らに限定されます。
 今回の公表は、この療養費制度の対象となる患者の基準を具体的に示したものです。
 基準から外れる患者については、他の医療機関での受診を勧める方針です。松崎病院長は、患者の5割弱が他の病院の受診になると見通した上で「基準外の患者を門前払い、診療拒否するわけではない。きちんと対応するが、なるべく避けていただきたい」と協力を要請しました。その上で、基準外の患者の保険診療分については「基本は病院で負担する」との考えも示しています。転院が促せない患者で、保険者が療養費払いを了承しない場合についても、保険者分を病院が負担することも明らかにしました。
(写真は、東京医科大学茨城医療センター松崎靖司病院長)


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