参考写真 日本維新の会と太陽の党の合流は、まさに、維新の会が『選挙互助会』であったことを、結果的に満天下に示してしまいました。
 党首に就任した石原信太郎前東京都知事は、「小異を捨てて、大同につく」と、豪語しましたが、次々と越えた壁は本当に「小異」だったのでしょうか?
 維新の会が掲げていた脱原発路線は旧太陽との政策協定で原発の安全基準などルールの構築などにすり替わり、「原発ゼロ」の表現はなくなりました。企業・団体献金の全面禁止も撤回され、献金の上限額や受領期間を定めることとになりました。これは、すでに政治資金規正法に定められており、抜本改革の名に値しないものです。
 政策が見えなくなった反面、突出してきたのが、石原代表の過激な超右よりな発言です。20日の外国特派員協会での講演では、「核兵器に関するシミュレーションぐらいしたらいい。一つの抑止力になる」と発言しました。また、21日には、自らの国政復帰の理由に関し「シナ(中国)になめられ、米国のめかけで甘んじてきた日本をもうちょっと美しいしっかりしたたかな国に仕立て直さなければ死んでも死にきれない」と述べました。こうしたバランス感覚を欠いた人物が、仮に日本の政治の中心にたったらどうなるのでしょうか?中国や韓国、ロシアなどとの外交が上手くいくわけはありません。アメリカとの同盟関係にも支障が出来ことも明白です。
 こうした混乱の中、日本維新の会の公認候補は、24日現在で142人となりました。しかし発表後の公認辞退も相次いでおり、最終的な擁立規模は小選挙区だけで150人程度となる見通しです。衆院過半数を擁立するという当初目標は大きく下回りそうです。
 日本維新の会は、広報費100万円を始め供託金600万円(比例重複の場合)の個人負担を求めています。もちろん、事務所や事務員などの費用も候補者負担です。公認を受けられる候補者は、まずこの資金を確保する必要に迫られます。資金難を理由に公認を辞退する人もすでに出ているようです。
 公認された候補者も、茨城の場合、ほとんど地元とは縁の薄い“落下傘候補”です。群馬県の町議が取手市を中心とする茨城3区に擁立されました。反対に、3区出身の現職議員は、東京の選挙区から出馬します。土浦市の企業経営者は埼玉県から出馬等々。地域に密着する小選挙区の候補が、わざわざ他の地域から公認されるという、選挙戦術に疑問を感じます。
 日本維新の会は、石原代表と橋下代表代行の二人芝居の舞台と化してしまった感があります。