脱法ハーブなど760種類、包括指定導入で規制へ
(テレビ朝日系2012/11/28配信)
脱法ハーブなど、新たに760種類の薬物が規制されることになりました。
大麻などに似た幻覚作用を引き起こす脱法ハーブを巡っては、指定薬物に定めても、そのたびに、化学構造を少し変えたものが出回る「いたちごっこ」が続いています。こうした事態を受けて、厚生労働省は、化学構造が似た薬物を包括して規制していく考え方を部会に示し、了承されました。指定薬物には現在、90種類が指定されていますが、包括指定の導入により、新たに760種類が加わり、来年2月にも製造や販売が禁止されることになります。
井手よしひろ県議ら茨城県議会公明党が、9月県議会に提案し、全会一位で採択された「『脱法ドラッグ』とりわけ『脱法ハーブ』に対する早急な規制強化等を求める意見書」の内容が、厚労省によって認められました。来年2月から「包括指定」が実施され、規制強化が実現します。
麻薬に似た幻覚症状を引き起こすにもかかわらず、規制するのが難しい“脱法ハーブ”が今、若者らを中心に広まっており、吸引による事故が多発するなど社会問題となっています。インターネットで脱法ハーブの店を検索してみると、瞬く間に何件もヒットします。ある店の商品一覧のページを開くと、ずらりと並んだ派手なパッケージが目に飛び込んできます。値段は1袋4000〜5000円ほど。「ハーブはお香としてお楽しみいただく商品です。人体摂取はしないでください」。店側はサイトでこう呼び掛けていますが、要は「吸引して健康に被害が生じるのはあくまで客の自己責任」と言いたいだけなのです。厚生労働省によると、脱法ハーブを含む脱法ドラッグ業者は、3月末時点で全国389業者にも上っています。
国や自治体は脱法ハーブの対策に全力を挙げているが、有害な化学物質を「指定薬物」などに定めても、すぐに化学構造を一部変えただけの新しい薬物が出回ってしまいます。規制はまさに、“いたちごっこ”の様相でした。
また、国が新たな「指定薬物」を公表しても、指定が始まるまでに少なくとも2カ月はかかるといわれています。その間、業者にその化学物資を売りさばかれるなどの対策を取られてしまうという規制の盲点もありました。
そこで、厚労省は成分構造が似ている物質をまとめて禁じる「包括指定」の導入を蹴ってしたのです。これにより規制強化に効果が期待されます。
(以下は、井手県議らが発議して全会一位で国に提出された意見書)
また、国が新たな「指定薬物」を公表しても、指定が始まるまでに少なくとも2カ月はかかるといわれています。その間、業者にその化学物資を売りさばかれるなどの対策を取られてしまうという規制の盲点もありました。
そこで、厚労省は成分構造が似ている物質をまとめて禁じる「包括指定」の導入を蹴ってしたのです。これにより規制強化に効果が期待されます。
(以下は、井手県議らが発議して全会一位で国に提出された意見書)
「脱法ドラッグ」とりわけ「脱法ハーブ」に対する早急な規制強化等を求める意見書
違法ドラッグによる健康被害が頻発していることから、平成19年4月1日より、いわゆる脱法ドラッグを「指定薬物」として規制するための改正薬事法が施行された。指定薬物に指定されると、学術研究、試験検査等の用途を除き、製造や輸入、販売が禁止となり、本年8月3日現在、73物質が指定されている。
それにもかかわらず、近年いわゆる「脱法ハーブ」が出回り、社会的に大きな問題を引き起こしている。脱法ハーブは、指定薬物の成分を一部変えて植物片に混ぜたもので、「お香」「アロマ」などと称して販売されており、脱法ハーブを吸引した若者が緊急搬送されたり、乗用車を運転して暴走し、通行中の市民に重軽傷を負わせるなどといった事件も起きている。
脱法ハーブなどの違法ドラッグをめぐっては、化学構造を少し変化させることで法規制をすり抜け、指定薬物になればまた化学構造を少し変化させるという“いたちごっこ”を繰り返し、法規制が追いつかないのが実態である。厚生労働省が調査したところ、「違法ドラッグ販売業者数」は本年3月末時点で、29都道府県で389業者も存在することが明らかとなり、茨城県内でも3業者が確認されている。
脱法ハーブは覚醒剤や麻薬等の乱用への「入り口」になることが危惧されており、こうした状況を放置することは看過できない。今後、青少年をはじめとした薬物乱用の拡大を防ぐためにも、規制強化が急務の課題である。
よって、政府においては、次の事項について早急に対応するよう強く要請する。
違法ドラッグによる健康被害が頻発していることから、平成19年4月1日より、いわゆる脱法ドラッグを「指定薬物」として規制するための改正薬事法が施行された。指定薬物に指定されると、学術研究、試験検査等の用途を除き、製造や輸入、販売が禁止となり、本年8月3日現在、73物質が指定されている。
それにもかかわらず、近年いわゆる「脱法ハーブ」が出回り、社会的に大きな問題を引き起こしている。脱法ハーブは、指定薬物の成分を一部変えて植物片に混ぜたもので、「お香」「アロマ」などと称して販売されており、脱法ハーブを吸引した若者が緊急搬送されたり、乗用車を運転して暴走し、通行中の市民に重軽傷を負わせるなどといった事件も起きている。
脱法ハーブなどの違法ドラッグをめぐっては、化学構造を少し変化させることで法規制をすり抜け、指定薬物になればまた化学構造を少し変化させるという“いたちごっこ”を繰り返し、法規制が追いつかないのが実態である。厚生労働省が調査したところ、「違法ドラッグ販売業者数」は本年3月末時点で、29都道府県で389業者も存在することが明らかとなり、茨城県内でも3業者が確認されている。
脱法ハーブは覚醒剤や麻薬等の乱用への「入り口」になることが危惧されており、こうした状況を放置することは看過できない。今後、青少年をはじめとした薬物乱用の拡大を防ぐためにも、規制強化が急務の課題である。
よって、政府においては、次の事項について早急に対応するよう強く要請する。
- 化学構造が類似していれば一括して薬事法の指定薬物として規制対象にできる「包括指定」を一日も早く導入すること。
- 指定薬物が麻薬取締官による取り締りの対象外であることを改め、指定薬物を発見した場合に収去ができるなど法整備の強化を図ること。
- 特に青少年や若者の乱用を防ぐため、薬物乱用防止教育の徹底を含む未然防止策の強化を図ること。