災害で政治意識に変化 「再建」に挑む公明語り抜こう
参考写真 東日本大震災後、初の国政選挙となる今回の衆院選では、復興そのものと併せて、10年、20年先を展望した「災後日本」の構想も問われています。
 この重大なテーマをどの党どの候補者に託すべきか。被災者ならずとも、国民はかつてない重みを感じて「一票」を投じるに違いありません。
 その意味でも残念なのは、解散前後から新党の誕生や政党の離合集散が相次ぎ、空前の多党乱立選挙となったことです。しかも、どの党も「復興」「再生」をスローガンに掲げるています。結果的に、有権者にとってこれほど選択の幅が拡散し、むしろ悩ましい事態となってしまいました。
 茨城も震災やその後の原発事故で大きな犠牲を強いられた地域です。地元を歩くと、ある種の「熱狂」と「興奮」のうちに推移した前回2009年の衆院選への反省の弁が数多く聞かれます。
 「前回は政権交代というブームに乗って、民主党に投票するのが当然と思ってしまったが、そのツケの何と大きかったことか」「今度は各党各候補の主張や実績をきちんと見極めて投票したい」「“受け狙い”の政党・政治家にはもうだまされない」といった声です。大きな期待を込めた民主党の大物議員が大臣まで務めて、地元の災害復旧にほとんど貢献できなかった有様は、地元有権者に大きな失望として刻まれました。
 3年余に及ぶ民主党政権の失政と、東日本大震災というあまりに大きな犠牲の末に、日本の政治風土からポピュリズム(大衆扇情政治)の風潮がようやく後退し始めているのかもしれません。
 「多党乱立」の中で、その表層的な現象の深淵部に“政党の真贋”を見極めようとする国民の政治意識の高まりを期待したいと思います。
 滑稽なのは、こうした変化を感じ取れず、相も変わらぬポピュリズム型選挙を展開している“時代遅れの政党”が少なくないことです。この国に内在していたさまざまな歪みや矛盾が未曽有の災害を通して浮き彫りになり、その過程で国民の政党と政治を見る目が大きく変容しつつあることにまるで気付いていません。
 ともあれ、総選挙の投票日まであと1週間。防災・減災、原発・エネルギー政策から医療・福祉、さらには国家の政策決定過程や政党の在り方に至るまで、3・11があぶり出した数々の教訓を生かして「日本再建」に挑む公明党の姿を語りに語り、2009年ポピュリズム選挙の雪辱を断固果たしたいと思います。