参考写真 1月11日政府は、日本経済再生に向けた緊急経済対策を閣議決定しました。対策の規模は国費約10.3兆円で、民間資金などを加えた事業規模は約20.2兆円。この対策の実施に必要な今年度補正予算の国費は、基礎年金国庫負担割合2分の1を維持するための約2.8兆円が加算され、全体で約13.1兆円となる見通しです。
 自民、公明の与党両党は補正予算の早期成立、執行に全力を尽くす方針です。
 閣議後の記者会見で安倍首相は、今回の緊急経済対策について、次のように語っています。「安倍政権は、政策の一丁目一番地を経済の再生と位置づけています。額に汗して頑張って働けば必ず報われる真っ当な社会を取り戻していくためにも、長引くデフレと円高からの脱却が決定的に重要であります。残念ながら民主党政権においては、経済対策は分配ばかりを重視をして、国全体としてどう稼いで、経済全体のパイをどう大きくしていくか、広げていくかということについては、十分ではありませんでした。発想が十分ではなかったと言っていいと思います」
参考写真 その上で、「まず政策の基本哲学を変えていきます。“縮小均衡の再分配”から、“成長による富の創出”へと大胆に転換を図っていきます。“委縮し続ける経済”に決別をして、イノベーションや新しい事業が次々と生み出されていくような、そして、それによって雇用と所得が拡大をしていくという“強い経済”を目指してまいります。強い経済を取り戻していくためには、大胆な金融政策、そして機動的な財政政策、そして民間投資を喚起する成長戦略という三本の矢を同時展開していくべきだと考えています」と、強調しました。
 安倍総理はパネルを示しながら、緊急経済対策の実施で実質GDP(国内総生産)が2%程度押し上げられ、60万人程度の雇用が創出されるとの試算を示しました。
 緊急経済対策は(1)大胆な金融政策(2)機動的な財政政策(3)民間投資を喚起する成長戦略―を「3本の矢」と位置付け、長引く円高やデフレ(物価下落が続く状態)の克服、国民の雇用や所得の拡大をめざしています。
 具体策では(1)復興・防災対策(2)成長による富の創出(3)暮らしの安心・地域活性化―を重点3分野とし、あらゆる政策を総動員するとしています。
 かねてから公明党は10兆円規模の大型補正予算の必要性を主張。昨年末には、緊急経済対策に関する考え方として補正予算の重点項目を政府に申し入れ、多くの項目を対策に反映させることができました。
 例えば、復興・防災対策(国費約3.8兆円)では、震災からの復興加速へ産業の復興や雇用機会の創出、原子力災害からの福島県の再生などを推進。防災・減災対策としては、国民の命と暮らしを守るため、トンネルや橋、道路などの社会インフラの総点検を速やかに行い、老朽化対策などを実施するほか、学校の耐震化も進めることになりました。
 成長による富の創出(約3.1兆円)では、省エネルギー(省エネ)・再生可能エネルギー(再エネ)拡大のための投資を促進。中小企業・小規模事業者の活力を引き出すため、経営改善や資金繰り、事業再生への支援を強化した。厳しい雇用情勢を踏まえ、若者の職業訓練の拡充や女性の活躍を後押しするための環境整備も行います。
 暮らしの安心・地域活性化(同約3.1兆円)では、70〜74歳までの医療費の窓口負担について、現行の1割負担の特例を継続し、本則の在り方については「低所得者対策とあわせて引き続き検討し、早期に結論を得る」と明記しました。さらに、農林水産物の輸出拡大などによる地域活性化の推進や、公共投資の地方負担を軽減するための交付金創設なども盛り込みました。
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参考:「日本経済再生に向けた緊急経済対策」について」PDF版