参考写真 1月30日、井手よしひろ県議ら公明党茨城県議団(高崎進県議、八島功男県議)は、日立製作所埠頭工場を訪れ、風力発電装置の製造現場を実地調査しました。
 昨年7月、日立製作所は富士重工業の風力発電部門を買収。約40人の技術者が、宇都宮市から日立市にある日製埠頭工場で勤務を始めました。富士重工の社員は、日製に出向という形で働いているようです。
 これまでも日製と富士重工は風力発電設備のビジネスで提携関係にありました。富士重工がブレード(羽根)や動力伝達機構の供給、設備の組み立てなどを担当し、日製は得意の発電装置を担当して来ました。また製品の営業・販売面は、日製が一元的に行ってきました。
 今後、鹿島港で計画されている50基の洋上風力発電、常磐沖での大規模洋上発電など、構造上の優位さと日製+富士重工の技術力で大量受注につなげていく方針です。
参考写真 日製の風力発電システムの特徴は、「ダウンウインド」という言葉で表現されます。一般的に風力発電設備は、タワーの上に発電機や動力伝達機などを収めた「ナセル」という筐体を置き、その前方(風上側)に風車のブレードがついています。これを「アップウインド型」と呼んでいます。風はまず風車を回し、そのあとでナセルやタワーに風が当たるので、風の乱れの影響をあまり受けません。反対に日製のダウンウインド型では、ナセルが風上側にあり、タワーの後ろ側で風車が回る構造です。タワーによって乱れた風を受けなければならないという欠点があります。長所としては、起伏のある土地に多い、下から吹き上げるような風を効率的にとらえられることができます。また、今後開発が期待される洋上風力発電において、タワーが海底に固定されていない浮体式風力発電には、非常に有効な方式です。
 埠頭工場の製造ラインを見せていただき、まず、その風力発電装置の大きさに驚かされました。あたかも新幹線の先頭車両を彷彿させるナセル部分とブレードヘッド部分の組み立てが行われています。ナセル部分の総重量は40tにも達します。厳しい環境が続く日立市内の製造業にあって、この風力発電の製造工場は確かに希望の星であると感じました。
(写真上:日製埠頭工場を視察した県議会公明党議員団、日製の風力発電装置が稼働する神栖市の洋上発電)