2月14日、井手よしひろ県議、八島功男県議ら公明党県議団と土浦市議団の有志は、霞ヶ浦のアオコ対策について、水処理の専門家よりヒアリングを行いました。
霞ヶ浦では、2012年の夏、アオコが大量に発生し土浦港にも深刻な影響を与えました。土浦港では腐敗したアオコが大量に流れ込み悪臭を放ちました。土浦市と国土交通省は、アオコ回収船による回収を行いました。
霞ケ浦でのアオコが大量発生などの水質悪化の原因は、「白濁現象」の解消によるプランクトンの増加であるとされています。
霞ヶ浦の水質は化学的酸素要求量(COD)の指標が年々悪化しています。霞ヶ浦に流入する河川のCODは毎年改善しているにも関わらず、水質悪化が止まらない原因は長らく様々な議論がありました。現在、一般的にこの原因は、「白濁現象」の解消と説明されています。「白濁現象」の解消により、湖面の透明度が上昇。それにより、植物プランクトンの光合成が盛んになり、植物プランクトンが大量発生し、水質の悪化を招いていたという考え方です。もともと、霞ヶ浦は、植物性プランクトンなどの栄養分となる窒素・リンの濃度が高いのも、水質悪化に拍車をかけることになりました。
今回ご意見を伺った朴埼鎬(パク・キホ)先生(工学博士)は、元九州大学教授。現在は、河川環境総合技術研究所所長を務め、水質浄化の専門家です。“ルミナイト”と名付けられた天然鉱石由来凝集材を発明し、特許(特許番号4822369)や国土交通省新技術登録(QS-070011-A)を受けています。
この天然鉱石由来凝集材を使った水質改善は、佐賀県唐津市の伊岐佐ダムなどで、実証されています。伊岐佐ダムの直下には日本の滝100選に選ばれている「見帰りの滝」があり、毎年6月には「あじさいまつり」が開催されるなど佐賀県有数の観光地となっていました。ところが近年、地元で「ささ濁り」とよばれる水の着色現象が起り、滝壺が褐色に見える等、観光のイメージが低下していました。
この着色現象の原因はフミン質とよばれる難分解性有機物であり、水質の指標とされるBOD(生物化学的酸素要求量)は1mg/l前後であり、水質的には良好な状態と評価されるのに、水が汚く見えてしまう不思議な現象が起きていました。
このような状態を改善するため、天然鉱石由来凝集材を使用した水質処理を実施。ダムの透明度は約2メートルから8メートルに改善しました。滝壺は褐色や暗黒色であり、そこから流下する水は黄色を帯びた状態で、底の形状は全くわかりませんでが、滝壺は澄み切った状態となり、底にある岩の配置がよくわかる状態となりました。
今回の現地調査では、霞ヶ浦のアオコ対策に、こうした天然鉱石由来凝集材が活用できないか、貴重なご意見を伺うことが出来ました。