
2月21日、厚生労働省関東信越厚生局は、診療報酬を不正受給したとして、保険医療機関の指定を取り消されている東京医科大学茨城医療センターを、診療科目やベッド数を減らしたうえで、3月1日から、保険医療機関として再指定されることを発表しました。
茨城医療センターは2008年4月から09年5月までの13カ月、「医師事務作業補助体制加算」や「入院時医学管理加算」といった診療報酬の加算について、要件を満たさないと認識しながら請求するなど、保険者に対して約8300万円の不正請求を行ったため、関東信越厚生局から、大学病院では異例となる保険医療機関の指定取り消し処分を受けていました。昨年12月1日に保険医療機関としての指定を取り消され、現在は救急患者などに限って診療を受け付けています。保険医療機関の指定取り消しを受けると、診療報酬を請求できなくなり、原則5年間は再指定されないため、多くの場合、医療機関は廃業を余儀なくされます。
茨城医療センターは今年1月、診療科目を以前より5つ少ない19に、ベッド数を112床少ない389床にして、保険医療機関の再指定を申請していました。これを受け、関東信越厚生局は、保険診療ができないままだと地域に深刻な影響が懸念されること、不正受給した診療報酬がすでに全額返還されていることなどを理由に、来月1日から再指定することを認めました。今回は3か月での再指定となり、地域住民からも安堵の声が寄せられています。

茨城医療センターによると、指定が取り消された去年12月以降、病院の収入は通常の3分の1から4分の1に減りましたが、医師や看護師が大きく減ることはなく、来月1日からは通常どおりの規模で診療できるということです。
公明党は、不正の事実を厳しいく糾弾するとともに、地域の医療を守るために、署名運動を展開。厚労省保険局長や茨城県に対して、地元議員を交えて要望活動を実施しました。その署名数は16,696人分にも達し、地域の声をいち早く届けることができました。
茨城医療センターは地域医療の拠点病院として、医師の育成拠点として、その果すべき役割は、非常に大きなものがあります。今回の問題を反省の糧として、再出発をしてもらいたいものです。