
平成24年度補正予算には、有害廃棄物対策費が計上されました。これは、県内5市町村に不法投棄された685本に及ぶ硫酸ピッチのドラム缶を行政代執行するための追加予算です。当初予算では186本分の撤去費用を予算化していましたが、撤去作業の過程で新たに499本の硫酸ピッチが発見されました。
硫酸ピッチは、硫酸と廃油の混合物で、硫黄分、アスファルト質などを含むタール状の物質です。通常は中和して焼却処理されますが、不正軽油の製造で発生するものが未処理のまま不法投棄される例が多発し、社会問題化しています。平成7年頃から散発的に不法投棄が報告されていますが、平成12年以降急増しています。現在は、ピーク時期に比べると非常に少なくなってきています。
主な成分は、硫酸イオン(36%:未反応の硫酸を含む)、タール分(34%)、油分(7.7%)であり、放置すると油分の揮発等により粘性が増して、固化します。強酸性物質で、人体に直接触れると皮膚がただれる他、目に入ると失明の恐れもあるなど、非常に危険な物質です。発生ガスによる大気汚染や土壌・地下水への浸透によって発生する汚染なども問題視されています。
硫酸ピッチは不正軽油製造の過程で発生します。価格が安く軽油引取税が課税されないA重油と灯油を混ぜると軽油に近い性状燃料油(不正軽油)が出来ます。A重油や灯油には不正な軽油製造を防ぐための識別剤として「クマリン」という蛍光物質が添加されています。このクマリンは、濃硫酸で処理することで分解除去され、この際に副産物として硫酸ピッチが生成されます。軽油は、販売価格に1リットル当たり数十円の軽油引取税が上乗せされていることもあって、脱税目的の不正な密造が行われているのです。
平成17年の廃棄物処理法改正により、硫酸ピッチの不適正処理の禁止及び罰則の強化が盛り込まれました。他方、ディーゼル車の排ガス対策として正規の軽油は低硫黄化が進められています。重油を混合した不正軽油は硫黄分が高く、識別剤が除去されても、軽油中の硫黄含量を調べれば不正軽油であることがわかるようになってきている。
こうした硫酸ピッチの不法投棄を取り締まる目的で、千葉県や京都府では「硫酸ピッチの製造を禁止する条例」が制定されています。これは、不正な利益を図る目的による硫酸ピッチの生成そのものを禁止し、住民の生活環境や自然環境への悪影響を未然に防止するために制定されました。
井手県議は、不正軽油製造の取り締まり強化と早期全量撤去を主張しました。
(写真は茨城県内の硫酸ピッチの不法投棄状況)
平成17年の廃棄物処理法改正により、硫酸ピッチの不適正処理の禁止及び罰則の強化が盛り込まれました。他方、ディーゼル車の排ガス対策として正規の軽油は低硫黄化が進められています。重油を混合した不正軽油は硫黄分が高く、識別剤が除去されても、軽油中の硫黄含量を調べれば不正軽油であることがわかるようになってきている。
こうした硫酸ピッチの不法投棄を取り締まる目的で、千葉県や京都府では「硫酸ピッチの製造を禁止する条例」が制定されています。これは、不正な利益を図る目的による硫酸ピッチの生成そのものを禁止し、住民の生活環境や自然環境への悪影響を未然に防止するために制定されました。
井手県議は、不正軽油製造の取り締まり強化と早期全量撤去を主張しました。
(写真は茨城県内の硫酸ピッチの不法投棄状況)