参考写真 3月27日、国立社会保障・人口問題研究所は、2040年までの自治体別の将来推計人口を公表しました。この推計は、将来の人口を、都道府県別・市区町村別に求めることを目的としたもので、2010年の国勢調査を基に、2010〜2040年までの30年間(5年ごと)について、男女5歳階級別に推計しました。従来は都道府県別、市区町村別の順にそれぞれ推計していましたが、今回はまず市区町村別の推計を行い、その結果を合計して都道府県別の人口を得る方法に変更しました。
 市町村毎に、街づくりの基本となる人口推計が詳細に公表されていますので、ぜひ一度ご覧下さい。
参考:日本の地域別将来推計人口(社会保障・人口問題研究所:平成25年3月推計)
 それによると、日本全体の人口の減少傾向が顕著になるとともに、高齢者の人口比が倍増する予測が示されています。
 2040年の75歳以上人口を2010年と比べると、埼玉(203.3%)、神奈川(200.7%)では2倍になるほか、沖縄(198.0%)、千葉(194.7%)、愛知(182.3%)、大阪(174.6%)、東京(173.3%)、滋賀(170.8%)でも、1.7倍を超えると推計しています。
 2040年までの総人口の推計を5年ごとに見ると、減少する都道府県が徐々に増え、15〜20年には沖縄以外で、20〜25年以降はすべての都道府県で減少。40年には、全都道府県で2010年の人口を下回ります。
 2040年の総人口を10年と比べると、最も減るのは秋田(64.4%)で、青森(67.9%)、高知(70.2%)、岩手(70.5%)、山形(71.5%)、和歌山(71.8%)などの順で、3割近い人口減少となります。
 地元、茨城県の人口推計結果を見てみると、茨城県の人口推計は、2010年:296万9770人であった人口は、15年:292万1890人、20年:285万2547人、25年:276万4115人、30年:266万1094人、35年:254万6159人、40年:242万2744人と30年間で55万人程度減少します。減少率は18%強となります。
 茨城県の人口構成は、2030年までに75歳以上のお年寄りの比率が10.7%から20.0%に倍増します。反面、15歳から65歳までの生産人口は、64%から2040年には53.6%まで、16%以上減少することになります。この間の急激な少子高齢化に、介護・福祉・医療などの社会保障の体制をどのように整えるか、課題は深刻です。
 茨城県は昨年、東日本大震災を受けて、今後の施策の羅針盤ともいえる県総合計画を改定しました。その人口推計「県全体としては、 少子高齢化の影響により人口の自然減少が進むことから、平成32(2020)年には、概ね285万人程度になる。より長期的には、高齢化が一層進展し、75歳以上人口の割合が高まっていくことから、人口の自然減少が急激に進み、平成47(2035)年には、概ね245万人から255万人程度になるのと見込まれる」と社人研の推計を比較すると、ほぼ、同じとなりました。
参考:茨城県総合計画「いきいき いばらき生活大県プラン」
参考写真 さて、日立市の人口推計を見てみたいと思います。
 2010年に19万3129人であった人口は、毎年1200〜1500人程度減り続け、15年には18万6663人、20年:17万9524人、25年:17万863人、30年:16万1155人、35年:15万1048人、40年14万1142人と15万人の大台を割り込むと試算されました。
 高齢者(65歳以上)の人口比は、2020年に20%を超え、30年には39.7%と4割に近づきます。さらに一番の問題は、生産人口比が2010年61.3%から40年には51.3%まで16%以上減少することです。働く世代が減るということは、街の元気がなくなる恐れがあります。
 日立市の総合計画「生活未来都市・ひたち」では、平成33年(2021年)の人口を17万人から19万人と想定しています。2万人もの幅のあるかなり大雑把な想定ですが、自然減だけで18万人を割り込むという社人研の予測を目の当たりする時、基幹産業の空洞化などの人口の社会減をいかに食い止めるか、正面から取り組まなくてはなりません。
 なお、他の市町村との比較では、ひたちなか市は2040年の人口が14万2864人と推計されており、日立市と人口の逆転が想定されています。昭和30年代に県下最大の人口を擁した日立市が、水戸市、つくば市、ひたちなか市に次ぎ、第4の都市になることは、何としても食い止めたいと考えています。
参考写真