参考写真 4月12日、井手よしひろ県議は、第1回茨城県指定廃棄物処理推進市町村長会議を傍聴しました。井上信治環境副大臣、秋野公造政務官、橋本昌知事をはじめ、県内44市町村の首長が一堂に参加しました。
 指定廃棄物とは、東京電力福島第1原発事故で発生した1キロ当たり8000ベクレル超の放射性セシウムを含む焼却灰や汚泥などの廃棄物です。放射性物質汚染対処特別措置法に基づき、発生した都道府県内で国が処分することが原則です。2012年12月末現在、岩手、宮城、山形、福島、新潟、群馬、栃木、茨城、千葉、東京、静岡の11都県で計約9万9000トンが指定されています。茨城県内では、3023トンが各市町村に一時保管されています。
 昨年9月、民主党政権下で国は、栃木県矢板市と茨城県高萩市に一方的に指定廃棄物の最終処分建設を発表しました。両地域とも地域住民と自治体は即座に反対の意向を示し、反対運動や反対署名が起こりました。高萩市内では、井手県議ら公明党が真っ先に反対署名運動を行い、計画の白紙撤回を求めました。
 こうした反対運動が盛り上がる中、昨年12月の総選挙で政権交代が起こり、自公政権は前政権下の決定に関する検証作業を行いました。その結果、今年1月末に、1.市町村との意思疎通が不足していた。2.候補地の提示あたっての詳細な調査、専門的な評価が不足していた。3.各県の状況を踏まえた対応が不十分であった。など3点の検証結果を公表しました。その上で、1.市町村長会議の開催し共通理解を醸成。2.専門家による評価の実施。3.候補地の安全性に関する詳細調査の実施。の3点を今後の方針として定めました。
 会議の冒頭、井上環境副大臣は「地域との意思疎通が欠けていたことを反省し、地元の意見を最大限に尊重して1日も早く処分場の建設にこぎつけたい」とあいさつしました。
参考写真 引き続き、国から今までの経過説明と現在、検討されている施設の説明がありました。
 その後の質疑応答では、「各県ごとに一箇所設置するという基本方針の変更はないのか?安全性の説明があったが現に風評被害が出ている。風評被害対策をどのように行うのか?住民への理解をどのように進めるか?」との質問が出されました。また、「放射性物質を拡散せることには反対。福島県内、例えば福島第2原発に最終処分場を作ることはできないのか」との意見が寄せられました。さらに「放射性セシウムの半減期から考えると、10年後に8000ベクレル以上の指定廃棄物はどの程度に減量するのか」との質問が出され、橋本知事からは「約13年程度で0.6トン程度に減衰するとの試算もある」との答弁がありました。
 その他、「具体的な数値で安全だと説明されても、住民は納得出来ない。安全だと言われた原発が事故を起こした。その意味で、国の安全という言葉に説得力はない」との厳しい意見が寄せられました。
 質疑応答の後、国から今後の具体的選定の手順について説明がありました。
 この選定の手順についても改めて質疑応答を行いました。
 その中では、「果たして福島県内の市町村の住民はすべてふるさとに戻れるのか。どうしても、戻れない地域が出るのなら、住民への補償をすみやかに行うべき。いたずらに時間を引き伸ばすののなら、(福島県外の)指定廃棄物を受け入れることも検討すべきでないか」との意見が更に出されました。また、「国の責任を明確にして、覚悟を決めて取り組んで貰いたい」との声も出ました。
 今日の市町村長会議を傍聴して実感したことは、国の方針である各県に一箇所の最終処分場という考え方が、地方の首長には全く受け入れられていないということです。ある首長が「民主党政権では平成26年度までに最終処分場を建設したいとしていたが、この議論をいつ頃までに結論付けようとしているのか」との質問をした際、他の首長が「その質問は県内への最終処分場を結果的認める質問だ」との異論が出されました。最終処分場建設の議論は、スタートラインにもついていないと言えます。