4月16日、常陸大宮、那珂、かすみがうら、五霞の4市町は、自治体の基幹業務システムに関してクラウド・システムにより共同で開発することを発表しました。この4市町は、住民記録や税、国保など住民サービスに関する基幹業務システムが、平成26年度に更新時期を迎えるため、次期システムをクラウドにより共同で構築することについて、「システム等の共同整備運営に関する協定」を締結することとなりました。今回のクラウドでのシステム構築により、コスト削減や住民サービス向上のほか、業務の効率化及び情報セキュリティの充実を図っていくとしています。
 共同構築による基幹業務システムのクラウド化の取組としては、この取り組みが茨城県では初めてのものとなります。
 自治体クラウドは、遠隔地などに設置された民間データセンターに、電子化された住民の情報を保管し、自治体専用回線で結んで運用するシステムです。これまで個々の自治体が構築していた高価な情報処理システムの初期費用や管理費を節約でき、東日本大震災を契機に防災面からも注目されています。
 2009年に総務省が導入を提唱。県も昨年度、検討に乗り出した30市町村の担当者を集め、ワーキングチームを立ち上げました。
 4市町は情報処理システムの更新時期が同じだったため、いち早く共同でのクラウド化で合意。住民票や印鑑証明、税、年金記録などの住民情報を保管する民間業者のデータセンターを今後、入札で選定し、平成26年度稼働を目指します。
 導入時のメリットについて4市町は「住民情報管理コストを2〜3割削減できる」と説明しています。また、防災上も、4市町いずれかの庁舎が被災して住民票などを発行できなくなった場合でも、ほかの市町庁舎から引き出すことも可能になります。
 茨城県では、昨年度までに潮来、大子など4市町村が単独で自治体クラウドを導入しています。全国では昨年11月現在、21地域204市町村が導入しています。
参考写真
○クラウドシステムの概要
  • 常陸大宮、那珂、かすみがうら、五霞の行政情報クラウド整備計画

  • 対象範囲:住民記録・地方税・国民健康保険や介護保険等の33業務(予定)を網羅するシステムをクラウドにより共同で構築・運用

  • 調達方法:公募型プロポーザル(協議会が共同で調達し,サービス提供業者と各市町が個別に契約)

  • 基幹業務システムの概要:住民情報(住民記録・印鑑証明・宛名管理・選挙人名簿等)、税、国保、年金、福祉(介護保険・高齢者福祉・障害者福祉・児童手当等)といった市町村の幅広い行政事務を支えるシステムであり、市役所や役場の各種窓口サービス等で活用されるシステム。

○クラウドによるシステム共同導入のねらい
  • 共同構築することでのスケールメリットによるシステム調達・運用費用の削減

  • 堅牢なデータセンタに住民情報等を保全し,災害時等での業務継続性を確保

  • 業務の標準化及び業務改善による職員の事務効率の向上

  • システムの運用・管理における職員負担の軽減

  • 参加団体間の広域連携による大規模災害時の相互応援(職員支援,業務代行)

  • 国が導入を予定している「社会保障・税番号制度」への円滑な対応