山口代表、矢倉かつお予定候補が埼玉で第一声
参考写真 4月21日、公明党の山口なつお代表(参院選予定候補=東京選挙区)は、さいたま市内で街頭演説を行い、今夏の参院選に向けた全国遊説の第一声を行いました。山口代表は参院選について「政権の信任をかけ、衆参の“ねじれ”解消をめざす」として、自民、公明の与党両党で過半数を獲得すると強調。生活者の目線に立った政策を推進する公明党が勝利し、引き続き連立政権の要を担うことで政治を安定させ、「『安定は希望につながる』政治を進めていく」と力説しました。
 また、矢倉かつお氏(参院選予定候補=埼玉選挙区)は「最も大事な政治課題は経済の再生」と指摘。経済再生には中小企業で働く人の所得が増えなくてはならないとして、「中小企業を守り、世界で勝てる日本をつくる」と決意を述べました。以下、山口代表の街頭演説の要旨を、4月22日付けの公明新聞の記事よりまとめました。

この夏の参院選の意義
 19日にネット選挙を解禁する法律が成立しました。きょうはその第一弾として、この演説会をネット中継で全国の皆さまにお届けをしています。これからも、さまざまな情報発信をしますので、よろしくお願いします。
 7月に予定されている参院選まで約3カ月と迫りました。きょうは、その全国遊説の第一声をスタートさせていただきます。
 この参院選は、公明党と自民党による連立政権の今後の行方を占う大事な選挙です。連立政権の信任をかけて、そして、衆参両院で多数派が異なる国会の「ねじれ状態」の解消をめざし、参院選に臨みたいと思います。
 公明党は、全国4選挙区に候補者を立て、比例区と合わせて10議席以上の議席獲得をめざしています。
 皆さま、最近の公明党のポスターを見ていただけましたか。「安定は、希望です」と書いてあります。皆さまには耳新しい言葉ではないかと思います。今の政治、まさに不安定だから安定をめざすのです。
 昨年の衆院選で与党は過半数の議席をいただきました。しかし、参院はそうなっていません。参院はいまだに重要案件が微妙な差で賛成、反対を繰り返す不安定な状況にあります。
 すなわち、参院で与党が過半数の議席をとる必要があると訴えたいのです。
 政治の安定には二つの役割があると考えます。
 一つは、与党が過半数をとれば、政治の意思決定を確実に進めることができるということです。
 私たち連立与党は、政権合意をつくり、優先課題として、まずは経済の再生、そして東日本大震災の被災地の復興加速を定めました。今、力強く進めているところです。これらの課題や、デフレ経済から日本を確実に脱却させるために、政治の意思決定の力を、国政で実現させなければなりません。
 さらに、もう一つ。これこそが本当の安定の力だと思うのですが、それは、国民の生活の目線に立った公明党が、国民の目線に沿った政策を推進していくことが政治の安定に必要だということです。
 国民の皆さまの生活の現場、仕事の実態に肉薄し、国民の望む政策を実現しなければいけません。そうでなければ、ややもすれば、理念先行になったり、力で押し切ろうとする政治になりかねません。それでは、自分たちの願いが本当に実現されているのか不安になる人も出てきます。
 だからこそ公明党が連立与党の中で、しっかりと足場を固め、国民が本当に望む政策を推進していかなければなりません。それによって、政権への期待が信頼に変わると思います。

新たな自公政権の成果と公明の政策
 今度の参院選で問われるべき争点は、連立政権の取り組みの是非であります。
 そして、公明党と自民党が政権合意で優先順位を定めた、経済の再生が本当に進むかどうかであります。
 私たちは、三つの目標を掲げました。
 大胆な金融緩和、需要をつくり出す財政政策、成長戦略です。これら三つの取り組みがお互いに相まって、経済のデフレ脱却を目指す政策の推進であります。
 まずは大胆な金融緩和。お金を流れやすくするということです。日本銀行と政府の役割をしっかりと共同声明を出して確認しました。新しい日銀総裁を選び、新しい政策を実行に移しました。市場はこれを歓迎し、株高となり、円高が是正されました。
 第二弾は、補正予算をつくり、財政政策を実行したことです。政府が国民の皆さまの仕事をつくり出す先鞭をつけました。防災・減災や被災地の復興の仕事をスタートさせたわけです。
 連立政権の政策の効果が表れてきています。株価は既に1.5倍に上がり、雇用は4万人分も生み出されました。デパートの商品や首都圏のマンションの売れ行きもよく、輸出も回復し始めました。白物家電の売れ行きも昨年から徐々に上昇してきています。
 こうした舵取りが、これからも確実なものとなるためには、新しい仕事をつくり出していかなければなりません。
 自公連立政権は6月には新しい成長戦略、つまり第三の矢を放ちたいと思っています。
 公明党はかねてから、医療や健康の分野に経済成長の種があると言ってきました。農業やエネルギー分野にも手を打っていこうと訴えてきました。観光も魅力的な資源がたくさんあります。

民間の活力生む支援を
 新しい成長の種をしっかりと産業として根付かせ、民間がその力を引き出す。そういう支援策を打ち出す成長戦略を実行してまいりたい。
 それを支える生産の社会的な基盤も強めていかなくてはいけません。
 これからは女性の力がもっと重要になります。高齢者でも元気な人、力のある人にはもっと働いていただく分野を広げるべきだと思います。
 待機児童の解消、子どもの教育などに力を入れることで、女性が働きやすくなり新しい成長の基盤が強くなっていきます。
 こうした政策を推し進めるため、連立政権の力が必要であり、そこには国民目線に立った公明党のきめの細かい政策創造力、実行力が必要となります。
 3本の矢を放った結果、賃金が上がる、若い人の仕事が増えるという結果に結びつけないといけません。
 公明党の太田昭宏国交相は、公共事業で働く人たちの賃金の単価を引き上げました。それが、民間の賃金の上昇に結びつくように、建設業界の代表の方々にそれをお願いしました。
 こうした働き掛けが一歩一歩前進することで、あらゆる分野での賃金上昇に結びつくきっかけが生まれてきています。
 企業は内部留保をためこんでいると言われてきましたが、株価が上がり、企業の持っている資産の価値が上がりました。円相場が安くなり輸出産業の業績が上向きました。
 こういうことが、働く人の賃金に還元されれば、消費も伸びていくでしょう。消費が伸びれば、さらに物をつくって、どんどん売れるように取り組もうとなり、生産や供給が伸びていきます。輸出増にも、つながります。

デフレ脱却を確実に
 こうした循環を軌道に乗せてデフレを脱却し、財政再建に結びつけていく。そういう未来を公明、自民の連立政権にお任せいただきたい。
 昨年の衆院選で訴えた「防災・減災ニューディール政策」。これは、老朽化したインフラをしっかり総点検して、予防的に補修することで寿命を長くする。結果的に改修コストを安くする取り組みです。
 これは、やらなければならないことです。私たちの政権は、地方自治体にインフラを総点検するための予算措置を取って、今、実行に移しつつあります。
 総点検をやれば、優先順位が見えてきます。
 これから先、膨大な防災・減災の工事を慌てて短期間でやることはできません。10年計画で、しっかりと防災・減災面での公共事業の需要を、優先順位を定めた上でつくり出し、確実に確保していきます。
 公明党がこうした現場の実態にしっかりと目を凝らし、ネットワークを生かして、デフレ脱却に向け確実に進めていきます。
 被災地の復興加速でも、われわれは復興予算の枠を大きく拡大しました。そして、現場に常駐体制をつくって、人を貼り付けて、被災地の皆さまに寄り添って仕事をする体制にした。
 大型連休前には、自主避難者のために高速道路料金の無料化がスタートします。さらに高台に移転を進める農地法の規制緩和などもやってまいりました。
 これからは住宅の再建や新しいまちづくり、復興をスピードアップさせることで、今年こそ「復興実感元年」にしたいと思います。
 日本の環太平洋連携協定(TPP)参加については、関係国からの了解が得られました。参加が実際に実現するまでに、もう少し時間がかかります。本格交渉に向け日本が競争できる分野を強くする、守るべき分野をしっかりと守る。そういう力強い交渉をし、TPPに参加してよかったという結果を生み出していきたい。
 外交は、政権が代わって日米関係を立て直し、アジアやロシアとの関係など、いろいろと手を付け出したところです。各国の動きを見ながら、日本と世界各国がしっかりと手を携えて、平和と安定をつくり上げ、共に経済発展をしていく国際社会をつくり上げたい。そういう観点の訴えも準備しています。

政党・政治家選ぶ基準、ネットワーク持ち現場発の公明こそ真の政党
 最後に重要なことを申し上げます。公明党が日本の政治の中で、どういう位置を占めているかということです。今回の参院選に、たくさんの政党が名乗りを挙げようとしている中で、公明党の存在意義は小さくないと私は自負しています。
 公明党の特長は、全国にネットワークをきちんと持っていることです。市町村と都道府県の議員、さらには衆参の国会議員のネットワークが全国に張り巡らされています。そして、意思疎通をし合っている。そういう特長があります。本来、政党が持っていなければならない機能です。
 さらに、政党のアイデンティティー(存在意義)といいますか、「大衆とともに」という立党精神を持って、結束をして事に当たるという政党の気風があります。現場の声を大事にしながら、政策を実行できる地に足の付いた姿勢を取っています。実績もつくってきました。
 数多く誕生した政党の中には、そのネットワークの基礎力がどうも見えない政党もあります。立党の方針が何なのか、何をやろうとしているのか、それすらもよく分からない政党もあります。
 さらには、党内の意見が大きく異なり対応がバラバラの政党もある中で、公明党の役割や価値は大きいのであります。
 だからこそ、日本の針路を担う政党や政治家を選ぶ目も重要です。政治の安定をもたらす最大の要素ではないかと思います。
 公明党は、これからも全力で頑張ってまいります。ご静聴ありがとうございました。