全国で19台目、こころの医療センターで活用
 4月23日、井手よしひろ県議はJR大みか駅前で、光トポグラフィの導入について県議会報告を行いました。
 県立こころの医療センターでは、この4月からうつ病診断の最新機器・光トポグラフィー導入します。
 光トポグラフィー(近赤外光脳機能計測装置)は、脳の活性化の状況を近赤外線によって計測する装置です。うつ病の診断などに威力を発揮し、県内では初めての導入。うつ症状の診断はこれまで医師の問診だけで行われてきましたが、この装置による客観的な脳機能の数値評価が加わり、より正確で早期の診断が可能となりました。患者の負担軽減、治療精度の向上が図られるとされています。
県議会公明の提案で導入実現
 この画期的装置は、公明党の田村けい子議員(つくば市選出)の昨年3月での予算特別委員会での質問がきっかになり導入が実現。当初、機器自体が高額(約6000万円)であることや専門の知識を有する医師が必要であることなどから、昨年3月議会では早期の導入には慎重な答弁がありました。
 その後、県内の精神医療機関から、民間では導入が難しいこうした先進機器を県立病院が率先して整備すべきであるとの要望が強く寄せられました。また、7月には光トポグラフィの専門技術を有する医師が確保できたことから、早期導入に弾みが付きました。
 実際の検査は被験者に、光トポグラフィー装置のプローブを装着した状態で、指定する頭文字から始まる言葉をできる限り多く発話するよう求める課題を1分間行ないます。その間、光トポグラフィーは、前頭葉や側頭葉における脳活動状態の変化を測定し、リアルタイムにデジタル化します。そのデータを解析し、どの精神疾患のパターンに合致するかを判別することにより、臨床診断を補助して正確な鑑別診断を行うことができます。検査前後の準備時間を含め、10〜15分程度で完了します。費用は、1回13000円程度です。
 県立こころの医療センターに導入されることによって、うつ治療の精度の向上と“見える化”が大きく進むことを期待されます。