与党は経済再生や復興加速に全力、明確な対立軸を示せなっかた野党
130515kokkai 5月15日深夜、平成25年度予算が成立しました。予算案は15日夕の参院予算委員会、本会議では、新党改革を除く野党の反対多数で否決されましたが、その後、両院協議会を開かれ、協議が整わなかったため、衆院の議決を優先する憲法60条の規定に基づいて成立しました。
 平成25年度予算の一般会計総額は92兆6115億円。日本経済の再生へ、平成24年度補正予算と合わせた「15カ月予算」として編成されました。25年度予算は(1)復興・防災対策(2)成長による富の創出(3)暮らしの安心・地域活性化―に重点化。民主党政権下で続いた、国債発行額が税収を上回る異常事態を4年ぶりに解消することができました。
 この予算は公明党の主張を随所に反映。東日本大震災からの復興や防災・減災対策、国民の生命を守る施策などが大きく前進した内容となっています。
 予算審議の過程の浮かび上がったのは、野党の不甲斐なさと自民党と連立を組む公明党の立場の重さです。
 戦後の日本で、独立の回復と経済復興に強いリーダーシップを発揮した吉田茂は、野党の役割を重視し「与野党ともに、良識に富み、愛国心に燃え、国家国民のために国政を行わんとするにあらざれば、民主政治とはいえないのである」(『回想十年4』)と述べました。しかし、この先達の期待は、今現在全く実現せず、野党の問題点が浮き彫りになっています。
 第一に、野党は東京都議選や参院選に向けて、明確な争点や対立軸を提示できていません。
 民主党は、参院選で年金の抜本改革を争点にすることを決めたと伝えられていますが、民主党が固執する最低保障年金は、消費税の大幅アップをもたらします。破綻した民主党のマニフェストを象徴するもの他なりません。「消えた年金問題」で勝利した2007年参院選の再現を狙うつもりのようですが、国民の不安をあおる手法を繰り返すことは許されません。第一、当時破綻すると入っていた日本の年金制度は、微動なく機能し続けています。
 また、日本維新の会は「参院選は憲法改正が大きなテーマになる」「96条改正をテーマにする」(橋下共同代表)と主張するが、肝心の自民党との違いが全く見えません。
 みんなの党は、消費税増税の凍結を掲げるが、増大し続ける社会保障費を直視すれば、責任ある主張とは思えないのは私だけではないはずです。消費税導入時の混乱回避など政府・与党が着実に対策を進めている中で、国民の共感を得られません。

 第二に野党には、国際感覚が不足しています。参院での川口・環境委員長の解任決議に見られるように、“中国要人との会談を断って帰国しないのは国会軽視だ”と言わんばかりの姿勢は、国際社会の中で国益を判断できない実態を示しています。
 また、「先進国で最も財政健全化が必要」(国際通貨基金=IMF)とされているわが国が、消費税増税の凍結などを実施すれば、国際社会は「日本は財政再建を断念した」と受け止めるに違いないのです。

 第三に、主要野党には政党としての一体性に疑問符が付く。離党者が相次いだ民主党はもとより、橋下共同代表と国会議員の摩擦が目立つ日本維新の会、路線対立が表面化したみんなの党など、政党政治への信頼感を低下させるような事例が数多く見られます。

 そして第四に、野党には“政治哲学”が感じられません。政権を失った民主党の「反省大会」は、自らの過ちを認めることを否定し、その責任を与党や官僚に転嫁しています。維新の会の橋下共同代表の「慰安婦」発言も、「女性軽視」「基本的人権の軽視」につながるものであり、憲法の精神を著しく踏みにじるものです。同党の“哲学”がいかに欠落しているかを物語る行為です。

 こうした野党の体たらくみるとき、連立与党のパートナーである公明党の存在は、際立って重要になっています。
 経済や金融政策の中に当ても国民目線、庶民目線の政策は公明党の真骨頂です。中小企業への配慮も公明党が特異とする分野です。
 外交でも軋轢が大きい、中国や韓国との太いパイプは公明党の強みとなっています。
 更に、憲法問題では、右寄りな言動が多い安倍政権の中で、健全な位置に引き戻すブレーキ役を十分に果たしています。党首討論で維新の会の石原共同代表が、「公明党は憲法改正の足手まといになる」と発言しましたが、私はこれは公明党への侮辱どころか「最大限の褒め言葉」だと思っています。
 経済再生や震災復興の加速化、防災・減災など、わが国が直面している課題は山積しています。公明党は政権与党として、これらの課題に真正面から取り組んでいく決意です。