インドの巨人の星“スーラジ・ザ・ライジングスター” 5月24日、公明党の山口那津男代表は、首相官邸で安倍晋三首相と会談し、公明党が取りまとめた提言「日本経済再生のための成長戦略」を申し入れました。
 その中でも注目を浴びているのが「文化・観光振興、地域活性化に資する成長戦略」の中で位置づけた「クール ・ジャパンによる観光振興」です。
 公明党は、コンテンツ、ファッション、日本食、地域資源など日本の魅力を海外に発信し、日本ブームにのって日本のモノやサービスを海外に売り出すクール・ジャパン戦略と、日本に憧れる外国人観光客を国内へ呼び込み国内での消費に繋げる観光振興を結びつけた「クール・ジャパン観光」を推進すべきである、提案しています。
 具体的には、日本企業の海外展開を支援するジェトロと日本政府観光局(JNTO)が、国内外のイベントや見本市を共同で実施・支援するなどの連携を進め、相乗効果で日本ブランドの発信力を強化すること。また、新たに設立するクール・ジャパン推進機構(仮称)を司令塔として、海外で観光番組などの日本関連コンテンツを継続的に放送・配信するいわゆる「ジャパン・チャンネル」を支援すること。我が国のアニメやドラマといったコンテンツをローカライズ(現地化)・プロモーションするための支援等も活用しながら、海外における日本ブランドの向上、現地でのモノ・サービスの売り込みを促進し、最終的には日本国内の観光振興へと繋げること。などを訴えています。
『文化で「稼ぐ」工夫を、進まぬ日本企業の海外展開』
 日本のマンガやアニメ、ファッション、食事、伝統工芸品などは「クール・ジャパン(かっこいい日本)」として海外から高く評価されています。
 日本のマンガやアニメ、音楽などのポップカルチャー(大衆文化)は海外で熱烈なファンを獲得しています。また、日本の伝統工芸品といった独特の美意識に魅了される外国人も少なくありません。
 しかし、日本の文化や商品への高い人気が、必ずしも日本企業の海外展開と結びついていないという現実があります。
 例えば、中国では、日本発のファッション誌が発行部数の上位を占めるほど関心を集めており、東南アジアでも、日本のファッションやメイクが流行に大きな影響を与えています。しかし、日本の繊維産業の輸出額は輸入額の50分の1にすぎません。フランスやドイツ、韓国では、それが2分の1であることと比べると輸出力の弱さは否めないのです。
 アニメや映画といったコンテンツ(情報の内容)の分野でも状況は同じです。コンテンツの売り上げに占める輸出の割合は、米国の17.8%に対して、わが国は5%とかなり低い状況です。日本のゲーム、映画、音楽、書籍、雑誌の輸出入額を見た場合では、ゲーム以外は輸入超過の状態にある。
 原因の一つには、コンテンツ産業の担い手の多くが中小企業であり、海外展開のためのノウハウや人材、資金力が不足していることが挙げられます。諸外国における日本のドラマ・アニメに対する規制や、模倣品・海賊版による被害などの問題もあります。
 文化産業は観光といった他の産業への経済波及効果も大きく、有望な成長分野です。今後、世界の生活文化関連産業の市場規模は、2009年の約464兆円から、20年の約932兆円にまで拡大すると見込まれています。
 日本は、海外から「クール(かっこいい)」との評価で満足するだけでなく、「文化」で「稼ぐ」仕組み作りが求められています。
『販路の拡大へ、官民一体で「戦略」強化。コンテンツと消費財も組合せ』
 優れた日本の商品の海外展開を支援するため、官民一体で進められているのがクール・ジャパン戦略です。
 クール・ジャパン戦略では、日本文化の魅力を海外に発信して“日本ブーム”を創り出す試みや、コンテンツと消費財を組み合わせて販路を広げる事業など、さまざまな取り組みが行われています。
 例えば、経済産業省がモデル事業として支援している一つに、人気野球マンガ「巨人の星」をインド市場向けにリメークした「スーラジ・ザ・ライジングスター」があります。
 昨年12月からインドで放映されているこのアニメは、現地に受け入れられやすいよう舞台を「野球」から「クリケット」に置き換えるなどの配慮を重ねながらも、日本の“スポ根”の魅力が伝わる内容となっています。しかも、アニメ中では、スポンサーとなった日本企業の商品やロゴが随所に登場し、日本製品をインドの消費者にアピールするよう工夫されています。
 放映に携わった博報堂の宇都宮毅氏は、「いろいろな企業が(海外へ)出て行こうとして手探りしている。こうしたコンテンツを使って、進出をめざす動きが広がれば、コンテンツ製作側にとってもプラスだ」と話しています。
 政府は今秋にも、民間企業の海外展開を資金面などで支援する「クール・ジャパン推進機構」の設立をめざしており、クール・ジャパン戦略の推進を一段と強化していく方針です。
(写真は、インド版巨人の星といわれる“スーラジ・ザ・ライジングスター”)

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